ファーウェイ、米クアルコムと特許紛争で和解 長期ライセンス契約を締結

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複数メディアの報道によると、半導体大手の米クアルコムは7月29日、ファーウェイ(華為科技)と長期ライセンス契約をを締結したと発表した。同社は第4四半期(7~9月)にはファーウェイから和解金などで18億ドル(約1890億円)を受け取るという。

クアルコムのスティーブ・モレンコフ(Steve Mollenkopf)CEOは、今回の契約締結により、今後販売量も大幅に増加するだろうと述べている。これを受け、クアルコムの株価は7月29日の時間外取引で一時13%も急騰し、106ドル(約1万1100円)の値を付けた。2020年第3四半期(4~6月)の決算によると、クアルコムの同四半期の売上高は前年同期比約50%減の48億9000万ドル(約5130億円)、純利益は61%減の8億4500万ドル(約885億円)だった。

同社は2019年、スマートフォン関連特許をめぐるアップルとの知的財産紛争でも和解に達し、アップルから45億ドル(約4720億円)以上の和解金を受け取ることで合意している。

クアルコムは3Gや4Gのネットワーク技術に関する特許を多数保有しており、同社の技術特許を回避できるスマートフォンメーカーは存在しない。しかし5G時代の到来後、特許取得件数で中国発企業がクアルコムに追い着き追い越そうとしている。ドイツの知財調査会社「IPlytics」が発表したデータによると、ファーウェイによる5G標準規格必須特許(5G-SEP)の申請件数は3325件で第1位であるのに対し、クアルコムは第6位だった。

しかし、ファーウェイは米国政府の規制を受けており、傘下の半導体メーカー「ハリシリコン(HiSilicon=海思半導体)」によりチップ設計の独立自主性を実現できたとしても、その先のチップ生産の段階では米国政府の規制を回避することは難しい。クアルコムとの和解は、クアルコムが今後もファーウェイに5Gチップの供給を継続する可能性を意味し、ファーウェイが抱えるハイエンドスマートフォン向けチップに関する問題は解消されるかも知れない。

(翻訳・浅田雅美)

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