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京東(JD.com)、アリババ、そしてテンセント(騰訊)という中国の3大IT企業から資金を調達した英国のラグジュアリーファッションECプラットフォーム「Farfetch(ファーフェッチ)」が、京東に開設している海外旗艦店を閉鎖し、アリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」に移転することを発表した。
ラグジュアリーEC「天猫奢品(Luxury Pavilion)」のトップページには、アリババが出資するもう1つのラグジュアリーECプラットフォーム「Net-a-Porter(ネッタポルテ;N-A-P)」と並んでFarfetch専用のアクセスボタンが置かれている。だが現在、Farfetchの天猫旗艦店はまだ準備段階にあり、商品へのリンクにも全て「テスト用(測試専用)」と注記されている。
2014年、Farfetchは中国市場に参入し、中国語版のWebサイトとアプリを次々とリリースした。2020年にはさらに自ら「発発奇」という中国語名を名乗り、人気スターのアンジェラベイビーをイメージキャラクターに起用した。
中国市場拡大を加速するために、Farfetchは2016年に「七匹狼(Septwolves)」から3000万ドル(約31億円)を、2017年に京東から3億9700万ドル(約410億円)を調達し、2020年には1億2500万ドル(約130億円)の転換社債の売却を通じて、テンセント(騰訊)から現金で1億2500万ドルを調達した。2020年末、アリババとリシュモン・グループ(Richemont)はそれぞれ3億ドル(約310億円)をFarfetchに出資したほか、両社はFarfetchが新たに設立した合弁会社にそれぞれ2億5000万ドル(約260億円)を出資している。
2020年、10ドル(約1040円)前後だったFarfetchの株価はひたすら上昇して60ドル(約6200円)を突破し、500%もの値上がりを見せた。米コンサルティング大手「ベイン・アンド・カンパニー(BAIN & COMPANY)」は2020年5月に発表したレポートの中で、2025年には世界の高級品の半分を中国人が購入すると予測している。
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