「廉価版AirPods」から脱却か。アンカー、音質重視のワイヤレスイヤホンを発売

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

「廉価版AirPods」から脱却か。アンカー、音質重視のワイヤレスイヤホンを発売

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

スマートデバイス周辺機器メーカー「アンカー・イノベーションズ・テクノロジー(Anker=安克創新科技)」のオーディオブランド「Soundcore」が10月、最新の完全ワイヤレスイヤホン「Liberty 3 Pro」をリリースした。Soundcoreはイヤホンやスピーカーなどオーディオ製品を開発するブランドとして2017年に立ち上げられ、ECサイトの高級ワイヤレスイヤホンカテゴリで長期にわたり売り上げ上位5位内を維持している。ユーザーは世界50カ国以上で2500万人を超える。

今回リリースしたLiberty 3 Proは、同ブランドのフラッグシップモデル「Liberty 2 Pro」の後継モデルで、同軸音響構造「ACAA」が2.0にアップデートされたほか、アクティブノイズキャンセリングに対応した「HearID ANC」を搭載し、30%の小型化を実現した。

調査会社Counterpointの試算によると、2021年の世界の完全ワイヤレスイヤホン市場は前年比33%増加したという。2016年に初代AirPodsが爆発的ヒットを記録したアップルが、現在に至るまで世界の同市場のトップシェアを守っており、サムスンとシャオミがそれに続いている。

モバイルバッテリーから事業を開始したアンカーは現在、モバイルバッテリー・充電器ブランド「Anker」、オーディオブランド「Soundcore」、スマートホームブランド「Eufy」、スマートプロジェクターブランド「Nebula」を展開している。アマゾンなど海外の大手ECプラットフォームで存在感を増し、北米や日本など実店舗の売上高も増加を続けている。

スマホメーカーが台頭し、技術力のある老舗ブランドがひしめく完全ワイヤレスイヤホン市場で、設立わずか4年のSoundcoreはどのようにゼロから現在の地位を築きあげたのだろうか。

Libertyシリーズの責任者を務める董波氏によれば、Soundcoreは当初、Ankerブランドの知名度を足がかりに海外展開を進めたといい、シリーズ初代のLiberty Airは2019年第1四半期のイヤホン世界ランキングで上位10位に入ったという。当時はAirPodsの廉価版と見なされていたが、時間と共にその印象も薄れ、最終的には音質にこだわるブランドという独自のスタンスを作り上げていった。

米クアルコムの発表した「オーディオデバイス使用の現状に関する研究報告」によると、消費者がオーディオデバイスを購入する際最も重視するのは音質なのだという。しかし完全ワイヤレスイヤホンの多くはユーザーの求める音質に達していないと考えた董氏は、同軸音響構造(ACAA)を初めて完全ワイヤレスイヤホンに採用し、高音質にこだわったLiberty 2 Proを2019年にリリースした。これによりSoundcoreの売り上げは大きく伸び、今年の世界出荷台数は2019年の4倍以上になると予測されている。

海外市場での成長が続くなか、2020年には中国市場に進出し、国内への投資を強化している。特に中国市場では自国ブランドを支持する動きが高まってきたこともあり、さらなる成長を考えると同市場への進出は必然だったと董氏は語る。

中国の完全ワイヤレスイヤホン市場は海外以上に競争が激しく、中~低価格帯ではその傾向が顕著だ。IT調査会社IDCのリポートによると、2020年の中国のブルートゥースイヤホン市場での出荷台数上位3社のシェア合計はわずか37%にとどまったという。市場には大量の無名ブランドがあふれ、大混戦となっている。Soundcoreは中国市場に合わせて、製品の警告音や配色などの調整を行い、中国のミュージシャンをイメージキャラクターに起用したプロモーションなどを行った結果、発売時やECセール期間中に大きく売り上げを伸ばすことに成功した。

今回のLiberty 3 Proリリースを通じて、Soundcoreは音質重視のブランドというイメージをいっそう強固にしたい考えだ。董氏によると、今後はハードテクノロジーと幅広い製品ラインナップを誇るソニーをベンチマークにしていきたいという。

Counterpointのデータでは、景気の低迷や不確実性により、現在は完全ワイヤレスイヤホンのなかでも中~低価格帯の売り上げが予測を上回るペースで伸びているという。しかし第3四半期の終わり頃にはハイエンド製品へのニーズが再燃すると予測しており、アップルが第三世代のAirPodsをリリースしたことも相まって、今後ワイヤレスイヤホン市場がさらに活気づくとみられる。
(翻訳・畠中裕子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録