テンセント、AIコーディング「Lovable」に出資 評価額8カ月で倍増、約2兆円に
スウェーデンのストックホルムに本社を置く人工知能(AI)コーディングのユニコーン企業「Lovable」は8月12日、シリーズCで4億ドル(約640億円)を調達したと発表した。企業評価額は133億ドル(約2兆円)に達し、2025年12月時点の66億ドル(約1兆500億円)から約8カ月で倍増した。
今回のラウンドは、米ベンチャーキャピタル(VC)のMenlo Venturesと、欧州投資大手EQT傘下のScaleup Europe Fundが共同で主導した。中国IT大手の騰訊控股(テンセント)やBalderton Capitalなどが新たに出資し、既存株主のAccelや米グーグル傘下のCapitalGなども追加出資した。
Lovableは2023年に設立され、24年11月に正式にサービスの提供を開始した。同社は自然言語によるソフトウエア生成を主力とし、ユーザーは従来のプログラミング知識がなくても、文章で要望を伝えることでウェブサイトやアプリ、企業の社内システムなどを構築できる。
これまでに同プラットフォーム上で作成されたプロジェクトは累計6000万件を超える。米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)、独スポーツ用品大手アディダス(Adidas)、独通信大手ドイツテレコム(Deutsche Telekom)なども顧客に名を連ねる。
事業の成長スピードも速い。Lovableの年換算売上高(ランレート)は26年6月時点で5億ドル(約800億円)に達し、8月末には約6億ドル(約950億円)まで拡大する見通しだ。25年12月時点では約2億ドル(約320億円)だった。
Lovableが手がける「バイブコーディング(Vibe Coding)」は、AI投資で最も注目を集める分野の1つとなっている。競合でAIコーディングエージェント「Devin」を開発する米Cognitionは今年5月、評価額260億ドル(約4兆円)で10億ドル(約1600億円)を調達した。さらに、米ブルームバーグは同じ8月12日、Cognitionが評価額400億ドル(約6兆4000億円)以上での新たな資金調達に向け、投資家と協議していると報じた。LovableとCognitionが相次いで大型調達に動くなど、AIコーディングを巡る投資熱は一段と高まっている。
今回の出資により、テンセントのAI分野での投資先はさらに広がった。同社は中国国内で、月之暗面(Moonshot AI)や智譜AI(Zhipu AI)、MiniMaxなど大規模モデルを手掛ける企業に出資し、今年はDeepSeek(ディープシーク)による初の外部資金調達にも参加した。
テンセントは今回のLovableへの出資により、AI分野での投資を中国国内の基盤モデル分野だけでなく、海外のAIアプリケーション分野、特に現在急成長しているAIコーディング分野へとさらに広げた。
*1ドル=約159円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)