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家具の電子商取引(EC)プラットフォーム「POVISON」を北米市場向けに展開する「Musem Technology(繆斯科技)」が、シリーズAでSkyline Venturesから約1000万ドル(約11億円)調達した。アドバイザーは「遠識資本(Foresight Capital)」。同社はエンジェルラウンドで、アリババグループの「eWTP科技創新基金(eWTP Technology & Innovation Fund)」から出資を受けている。
同社は昨年設立され、今年3月末にPOVISONをローンチした。本社所在地は広東省広州市で、創業者の林氏はアリババ出身のソフトウエアエンジニアだ。林氏によると、北米の家具販売市場は輸入依存度が極めて高く、ほとんどの商品の輸入先を中国としている。しかも、家具の輸入販売で6割のシェアを握る地元企業はB2Bモデルを採用しており、消費者のニーズを把握するのが極めて遅いという。そのため、北米の家具販売市場では現在、B2Cモデルのオンライン販売が急速に普及しつつある。
米国では昨年、新型コロナ流行の影響で家具のオンライン販売の浸透率が20%を超えた。2019年の14%から大きく伸びた浸透率は、今年も上昇中だ。主なユーザーは25〜44歳。ミレニアル世代が消費の主役となった現在、家具販売がオンラインに移行する傾向が鮮明になりつつある。
POVISONは現在、ソファーやテーブル、テレビ台など高級感と付加価値をプラスした大型家具をメインに販売。暮らしの場面に合わせた家具のコーディネートを写真や動画を用いて提案している。主力商品の平均価格は900ドル(約10万2000円)だが、セット購入を提案しているため、平均客単価は上がり続けている。
林氏は「北米の消費者にPOVISONというブランドを受け入れてもらうために、当社は高品質でスタイリッシュな商品を提供するだけでなく、環境保護と持続可能性も重視している。無垢材には持続可能な森林で育った木を用い、合板材もホルムアルデヒド発散等級で最も高い『E0』の認証を受けたものを選んでいる」と説明した。また、繆斯科技はESG(環境・社会・企業統治)の理念を大切にしており、設立当初から米国に拠点を置く自然保護団体「The Nature Conservancy」とチャリティ事業で協力しているという。
家具販売市場は急速に発展している最中だが、サプライチェーンのデジタル化や商品の品質保証が業界全体の課題となっている。繆斯科技は消費者の権利と利益を保証するため、事業の全プロセスを自社運営している。林氏は「相対的に見れば現在かけているコストは高く、投資回収期間も長くなるだろう。しかし、家具のサプライチェーンをデジタル化できれば、中国の家具メーカーと海外の消費者とをより深く結びつけることが可能になる」と述べている。
POVISONは現在、自社アプリと公式サイトのほかAmazonで家具を販売しており、今年の売上高は4000万ドル(約45億2000万円)を超える見込みだという。林氏は「今後数年は北米市場での集中的な取り組みをさらに深め、現地倉庫やローカライズされたアフターサービスに投資する。家具のコーディネートに関する無料相談サービスなども提供し、消費者が高品質かつスタイリッシュな家具をより楽しめるようサポートしていく」との方針を示した。
(翻訳・田村広子)
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