「Wind Mobility」 ヨーロッパのシェア電動スクーター市場に挑戦する中国人CEO

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激戦のシェアサイクル市場。米国の「Lime」と「Bird」が火花を散らす中、「Uber」が両社のうちいずれかを買収する意向があると伝えられた。

この争いに割って入ったのが「Wind Mobility」だ。同社は、国際的なインターネット関連企業「Zenjoy」がインキュベートしたスタートアップで、これまでバルセロナ、パリ、マドリード、ボルドーなどの都市で電動スクーターのシェアサービスを、ベルリン、フランクフルトなどではシェアサイクルを展開してきた。同社CEOの王一禾(Wang Yihe)氏によれば、「ヨーロッパの一部の都市では、LimeやBirdより先行してサービスを開始した」とのことだ。

11月にシードラウンドで2200万ドル(約25億円)を調達し、同社は欧米の各都市と交渉を重ねており、米サンディエゴとベイエリアではまもなくサービスをスタートする。

中国国内のシェア市場は不調だが、欧米ではシェア電動スクーターは人気で、近距離交通におけるシェアも急速に伸びている。たとえば一部の大都市では5キロを移動するのに、公共交通機関で1時間近くかかり費用は2~3ドル、タクシーでは10ドルを超えるのに対し、シェアスクーターでは公共交通機関と同等の料金(1ドル+毎分0.15ドル)で、十数分から30分以内で到着する。低料金と時間効率の良さが人気の理由なのだ。

各国各都市により法律は異なるので、Windはその地域に合わせて運営モデルと車両操作をカスタマイズしている。ある都市では、現地の交通状況によりスクーターにリミッターをかけるか、プラットフォームから強制的に減速させるかして、ユーザーの安全を確保している。

同社は、シェアスクーターユーザーにとってスイッチングコストは低いため、立地、充電、使用法などの利便性で優位に立つことが重要だと考えている。そのためには多くの初期投資が必要だ。IoTや通信モジュールの搭載以外にも、同社では「バッテリーシェア」モデルを採用し、ユーザーが自分でバッテリーを交換できるようにしている。

同社は、今後まずは大都市を中心に多くの都市でシェアモビリティ事業を展開し、徐々に地方都市へも拡大していく計画だ。

(翻訳・神江乃緒)

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