【日本進出特集】ボディケアの新興ブランド「LEPEBBLE」、“五感”刺激する商品で差別化

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【日本進出特集】ボディケアの新興ブランド「LEPEBBLE」、“五感”刺激する商品で差別化

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「LEPEBBLE(ラペブル、中国語では楽有石)」ブランドでボディクリームなどのボディケア用品を手がける中国のスタートアップ企業「泊彼楽品牌管理(上海)」が日本市場への進出を計画している。創業者の張蘊(ニックネームは大米)董事長が36Kr Japanのインタビューで明らかにした。海外市場への進出は日本が初めて。2023年末までに対日輸出・販売を始める意向で、日本市場で一定のファン層を獲得した中国コスメに新たな顔ぶれが加わることになる。

LEPEBBLEはアパレル製品の設計・制作などを手がけてきたデザイナーの張氏が2019年に創設したブランド。運営会社の泊彼楽には張氏個人のほか、コスメ用品のグローバルなサプライチェーンを持ってODM(相手先ブランドによる設計・生産)やOEM(相手先ブランドによる生産)を手がける上海創元集団、リテールテック企業の第一秒電商科技が出資し、商品企画から製造・販売に至るボディケアのサプライチェーン(供給網)を形成している。

LEPEBBLEは「人の感情を生み出す愛着や夢が、肌本来の美しさを取り戻す」というブランドビジョンを掲げ、リップクリーム、ハンドクリーム、ボディスクラブ、ヘアケアなどのコスメ用品を販売している。東洋医学では肌と心は繋がっているとの考えに基づき、クリームなどのテクスチャ(触覚)や香り(嗅覚)に加え、容器のデザイン(視覚)、容器を開閉する際の音(聴覚)など五感に訴える高付加価値のボディケア用品を志向してきた。

泊彼楽は上海本社のほか広東省広州に営業拠点を置き、従業員数は50人弱。従来はボディケア用品の販売のほぼ全てが中国市場向けで、2022年12月期の売上高はコロナ禍の影響にもかかわらず、約5000万元(約10億円)の売上高を達成した。23年に中国の社会活動が正常化すると売上高は拡大に転じており、創業以来の目標だった海外市場への進出に改めて取り組むことにした。

初の海外進出先として日本を選んだのは、資本提携する上海創元がすでに日本に研究開発拠点を持つほか、工場を建設する方針を決めているためだ。泊彼楽は当面、LEPEBBLEブランドの商品を中国から輸出して日本市場を開拓し、上海創元が日本工場を稼働させた段階で地産地消に切り替える青写真を描く。日本で展開する商品に関しては、検討中で未定とした。

中国で販売中のハンドクリーム

泊彼楽は中国市場では、有力な現地プラットフォーマー経由のオンライン販売とセレクトショップなど実店舗での販売を並行して進めてきた。日本では現地法人を持つ第一秒電商と連携し、日本に適したオンライン・実店舗の販売手法を探る。日本市場の開拓を急ぐため、新たに代理店を置くことも検討する。 

泊彼楽は2022年、中国市場で「ウルトラマン(中国語で奥特曼)」を使った二次創作の権利を取得し、容器や箱にウルトラマンの木版画をあしらったボディケア用品を発売した実績がある。ウルトラマンを起用した理由には、まず男性だけがウルトラマンを好むという認知バイアスを打ち破り、個性的でユニセックスな女性たちに一味違った商品を提供できるという点がある。また、ウルトラマンといえば健康的でパワフルなイメージがあり、ブランド理念の一端を表現できると考えたからだという。

「今後も日本のアニメキャラクターやアーティスト作品などの知的財産(IP)を商品づくりに生かす」(張氏)としている。

ウルトラマンIPを活用した人気製品

張氏は日本について「消費者のボディケア用品への要求が厳しく、最も参入が難しい市場だ」と語った。それでも参入する理由として、上海創元など提携先がすでに日本拠点を持つこと以外に「日本市場で一定のブランド力を築くことができれば、中国での販売拡大にプラスになる」ことを挙げた。シンプルなデザインに特徴のある日本のボディケア用品とは一線を画し、LEPEBBLEは五感に訴える発信力で個性を発揮していくという。

日本では近年、中国のコスメブランドが若者層に人気を呼び、「チャイボーグ」と呼ばれる中国風のメイクも注目を集めている。LEPEBBLEが参入することで、日本で買える中国コスメの品ぞろえが一段と厚みを増しそうだ。

※36Kr Japanでは、日本進出に意欲の高い中国スタートアップ企業にクローズアップしています。この度、独自に募集した日本市場に関心ある100社近くの企業の中から、注目すべきスタートアップを厳選し、今年5月にオンラインにてピッチイベントを開催しました。

今回の特集で紹介する企業は、日本のパートナーとの積極的な連携を望んでいます。今後、日中間のオープンイノベーションや日中協業の促進のため、36Kr Japanは継続的にイベントを行いますので、ぜひご注目ください。

(36Kr Japan編集部)

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