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CMOSイメージセンサー(CIS)を手掛ける「長光辰芯(Gpixel)」はこのほど、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(スター・マーケット)」への上場を申請し、目論見書を公開した。国泰君安証券が保証推薦人(スポンサー)を務める。
長光辰芯の支配株主は王欣洋氏、実質的支配者は王氏と妻の張艶霞氏だ。目論見書に署名した時点で、王氏の直接持分は27.36%だが、関連会社の「珠海雲辰」と「珠海旭辰」を通じて20.27%を間接保有し、張氏も1.9%を直接保有しているため、夫妻の株式は直接、間接を合わせて49.53%となる。
王氏は2012年8月から22年4月まで中国科学院長春光学精密機械・物理研究所に所属し、研究者および博士課程の指導教官を務めていた。また長光辰芯で2番目の大株主である「奥普光電技術(UP Optotech)」も同研究所に所属する企業ということからも、長光辰芯と研究所との関わりが深いことがわかる。
長光辰芯は自社工場を持たないファブレス経営で、高性能CISの研究開発、設計、テスト、販売を手掛けるほかカスタマイズサービスを提供する。同社のCISシリーズは、センサーサイズが大きく、高い解像度や感度、広い動態検知範囲、低ノイズなどの特長を備えており、画素の配置によりエリアイメージセンサーとリニアイメージセンサーに分かれる。
世界のCIS市場ではこの数年寡占状態が続いている。市場調査会社の仏Yoleによると、2021年のCIS世界市場は、SONY、韓国サムスン電子、米オムニビジョン、スイスのSTマイクロエレクトロニクスの4社でシェア8割を占めた。
CISの技術は分野ごとに要求が明確に異なる。長光辰芯が手掛けるロボットビジョン、科学機器、画像処理などは、CISのなかでも参入が難しい分野だ。
長光辰芯はロボットビジョンや科学機器の分野で上位に位置する。Yoleによると、ロボットビジョンが含まれる産業分野の世界市場では、米オン・セミコンダクター、SONY、英テレダインe2vに次いで第4位、中国企業としてはトップに立つ。科学機器が含まれる航空宇宙・防衛分野では世界第6位、こちらも中国企業ではトップだ。
また業界のけん引役として多くの国や省レベルの研究プロジェクトを請け負っている。そのなかの一つ、8K超高精細画像センサーチップ・システムのプロジェクトでは、2021年10月に8K超高精細画像処理センサーについて国の検収が完了し、研究成果は中国が海外からの輸入に依存していた状況を打破するものとなった。
長光辰芯の業績は、2020年の売上高が1億9800万元(約40億円)で純利益5787万9400元(約11億6000万円)、21年は売上高4億1100万元(約82億円)で純損失3604万3600元(約7億2000万円)、22年は売上高6億400万元(約121億円)で純損失8409万9300元(約16億9000万円)だった。
長光辰芯の技術力は高いものの、研究開発に長い時間をかけ多額の先行投資を必要とする。実際にどのような評価を受けるかが注目される。
作者:格隆滙新股(WeChat公式ID:ipopress)
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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