加熱する中国の大規模言語モデル競争。設立半年の「百川智能」に、アリババ・テンセントなどが3億ドルを出資

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加熱する中国の大規模言語モデル競争。設立半年の「百川智能」に、アリババ・テンセントなどが3億ドルを出資

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大規模言語モデル(LLM)の研究開発を手掛ける中国スタートアップ企業「百川智能(Baichuan Intelligent)」が、シリーズA1で3億ドル(約450億円)の戦略投資を受けた。アリババ、テンセント、シャオミなどIT大手と複数のトップクラスの投資機関が出資した。

百川智能は、検索エンジン「捜狗(Sogou)」前CEOの王小川氏が2023年4月に設立した。中心メンバーは捜狗、グーグル、テンセント、バイドゥ、ファーウェイ、マイクロソフト、バイトダンス(字節跳動)など出身のAI人材だ。設立時にエンジェルラウンドで5000万ドル(約75億円)を調達し、調達金額は累計3億5000万ドル(約530億円)に達する。設立から半年足らずでユニコーンの仲間入りをした。

百川智能は設立以来、猛スピードで研究開発を進めてきた。半年のうちにオープンソースの大規模言語モデル「Baichuan-7B/13B」「Baichuan2-7B/13B」の4つを無料で公開したほか、クローズドソースの大規模言語モデル「Baichuan-53B」「Baichuan2-53B」を発表するなど、平均28日ごとに新モデルを発表してきた。

そのため百川智能はオープンソースコミュニティで先発者として優位な立場に立っている。大規模言語モデルのBaichuan-7B/13Bは多くの権威ある評価ランキングで上位にあり、ダウンロード数は累計600万回を超える。

半年あまりにわたるLLM市場の熾烈な競争を経て、現在は大手IT企業、スタートアップ、学術機関がそれぞれに開発を進める構図が出来上がっており、商用利用に向けて加速している。各企業にとって、いかに早くPMF(市場に適した製品を提供できていること)を達成するかが最大の課題となっている。

商用化では、百川智能は個人ユーザー向けと企業向けの両面で展開する路線を選択した。個人ユーザー向けには早くから「スーパーアプリ」を作り上げることに意欲を見せてきた。例えば、8月に発表した53Bモデルでは検索機能を強化し、検索結果を参考にしながらユーザーのリクエストに対して価値のある回答をリアルタイムで生成できるようにした。8月末には国が制定した「生成AIサービスの暫定的管理方法」で一般ユーザーへの公開が認められた大規模言語モデル関連のプロダクトが発表され、百川智能もその認可を受けた。また9月25日にはBaichuan2-53B APIインターフェイスの開放を発表し、正式に企業向け分野に進出した。

百川智能のほかにも、もう一社の有力企業「智譜AI(Zhipu AI)」もこのほどシリーズB-4で資金調達を実施した。テンセント、アリババなど複数のトップ投資機関が出資に参加している。資金調達後、同社の評価額は約10億ドル(約1500億円)に達し、ユニコーン企業入りを果たした。

「シリコンバレーが認めた」中国大規模言語モデル「Zhipu AI」にアリババも出資 ユニコーン企業入り

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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