悲願の中国産半導体開発に取り組むユニコーン、「積塔半導体」が2800億円調達

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悲願の中国産半導体開発に取り組むユニコーン、「積塔半導体」が2800億円調達

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車載半導体を製造する「上海積塔半導体(GTA Semiconductor)」が9月に、135億元(約2800億円)を調達した。出資者は非公表。これにより同社の評価額は460億元(約9500億円)を突破した。

この数年、米国が中国への半導体輸出を規制していることから、中国企業にとって国産半導体を開発することが喫緊の課題となっている。積塔半導体はこうした状況のなか成長してきた。

積塔半導体は、中国政府直属の国有企業である中国電子信息産業集団(China Electronics Corporation;CEC)傘下の華大半導体(Huada Semiconductor)と、上海市集積回路産業基金の共同出資で2017年に設立された。華大半導体は2014年5月設立、中国のIC回路設計企業大手10社に含まれ、ICカードやセキュリティチップの出荷量と売上高では中国トップ、世界でも上位5社に数えられる。

2019年には上海先進半導体製造(ASMC)を吸収合併するかたちで民営化し、運営の統合を行った。上海先進半導体製造の前身は1988年に設立された上海フィリップス・セミコンダクター(現在のNXPセミコンダクターズ)だ。合併前は中国最大規模のファウンドリーで、月産2万8000枚の5インチウエハー工場、月産5万1000枚の6インチウエハー工場、月産1万2000枚の8インチウエハー工場の3つを所有していた。

積塔半導体は主に車載電子部品、産業制御機器、消費者向けハイエンド電子機器のマイクロコントローラー、アナログチップ、パワーデバイス、センサーなどに使用するチップの製造プラットフォームと技術サービスを提供し、中国で最も早い時期から車載半導体とIGBT(絶縁ゲート型バイポーラートランジスタ)チップを製造している。

2022年には「中国半導体産業の父」と呼ばれ、中国半導体受託製造最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)を創業した張汝京氏の参加で注目が集まり、大きな期待が寄せられた。

今年6月、12インチ車載半導体パイロットラインの完成が発表され、同社の12インチ車載半導体戦略は重要な節目を迎えた。

急成長を遂げる積塔半導体に多くの企業が提携の意向を示している。今年1月12日に、吉利科技集団と車載半導体の研究開発・製造・市場展開・人材育成などについて包括的に協力する戦略的提携を締結、共にIC産業の発展に取り組み、国産半導体を実現する基幹技術の開発を目指すことで合意した。

今回の資金調達はプライマリー市場における1回の調達額としては今年最高額となった。積塔半導体は半導体分野のユニコーンとして中国半導体の歴史を塗り替える力を秘めている。また同社が拠点とする上海は中国最大のIC産業都市であり、中芯国際や華大半導体、華虹半導体(Hua Hong Semiconductor)など半導体分野の有力企業の半数が本社を置く。上海はまさに中国チップ産業に欠かせない存在と言えるだろう。

作者:融中財経(WeChat公式ID:thecapital)

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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