熱管理から自動倉庫まで、新エネ車産業に特化したスマート設備開発の中国企業が資金調達

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新エネルギー車産業向けスマート設備のソリューションを手がける中国企業「中科摩通(CASMT)」が、シリーズB+で民生証券投資(Minsheng Securities)と沣泉峪集団から5000万元(約11億円)を調達した。これで同社は累計2億元(約40億円)以上を調達したことになる。

2019年11月に設立された中科摩通は、新エネルギー車産業向けスマート設備の開発に注力し、自動化、IT化、スマート化の総合的なソリューションを提供している。

中国汽車工業協会(CAAM)によると、中国で新エネルギー車の普及率は2019年の4.06%から22年の31.85%へ7倍以上に上昇し、今年9月には36.9%となった。自動車産業情報プラットフォーム・蓋世汽車(Gasgoo)は、25年には普及率が46%に達すると予測している。また、電動化に伴って熱管理システムの重要性が高まり、熱管理設備の市場規模は25年に58億元(約1200億円)に拡大し、21~25年の市場成長率は年平均36%となる見込みだ。

中科摩通は新エネルギー車用コア部品のスマート生産ラインを提供する。自動車の熱管理システム、リチウムイオン電池、フラットワイヤーモーター、ドメインコントローラー、LiDAR、シャーシ・バイ・ワイヤーなどの分野で視覚制御、プログラマブル制御、トレーサビリティ、モーション制御などの技術を使って自動組立、外観検査、性能試験、スタッキング、無人搬送車(AGV)物流、スマート倉庫、製造実行システム(MES)などの導入を後押ししている。

同社は自動車の熱管理設備分野で業界をリードしている。電動ウォーターポンプ、電動オイルポンプ、ヒートポンプ、バルブ、アクチュエーター、電子膨張弁、電動コンプレッサーなどさまざまな生産ライン向けのソリューションを提供し、多くの顧客に活用されている。

中科摩通の製品

趙丹会長の話では、新エネルギー自動車業界では今、熱管理システムが重視されており、同社でもこれからこの分野の業績が急成長することが見込まれるという。

同社は駆動用電池の大手メーカーとの提携経験や蓄積した技術を生かして、蓄電システム分野でも急速に頭角を現している。年内には十数本の生産ラインが完成する見通しだ。趙会長は、新エネルギー分野の顧客が海外へ進出するのに伴い、蓄電システム事業は今後さらに大きく成長するとの見方を示した。

熱管理システムとリチウムイオン電池のほかに新規事業も開拓している。2022年にシリーズBの資金調達を終えてから、フラットワイヤーモーター設備の研究チームを組織し始めた。現在はシーメンスと戦略的提携を進め、共同でフラットワイヤーモーター生産ラインの研究開発と設計を行った。また電動ユニット事業も手がけ、日本のアイシンや中国の理想汽車(Li Auto)と提携している。インテリジェントドライブ事業では禾賽科技(Hesai Technology)にLiDAR生産ラインを提供し、謀行科技とは電気機械式ブレーキ(EMB)シャーシ・バイ・ワイヤーをめぐる戦略的提携を締結した。

趙会長によると、中科摩通は今年1~10月の販売契約額が前年同期比94%増の3億元(約65億円)近くに上ったという。また、海外進出を加速しており、北米、欧州、東南アジアなどで事業を展開している。

同社は引き続き、新エネルギー車向けスマート設備事業として熱管理システム、蓄電システム、フラットワイヤーモーター、シャーシ・バイ・ワイヤーなどの分野に注力する方針で、2025年には販売契約額15億元(約320億円)を目指すという。

*2023年11月17日のレート(1元=約21円)で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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