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英国に本部を置くファッションブランド「Urbanic」がシリーズCで1億5000万ドル(約220億円)を調達したと発表した。出資したのはMirabaud Lifestyle Impact & InnovationやD1 Capital Partnersなど。Urbanicはこれまでにも復星鋭正資本(Fosun RZ Capital)やセコイア・キャピタルなどから資金を調達している。
Urbanicは2019年設立、中国国内のサプライチェーンを統合して、ブラジルやメキシコ、インドなど新興国のユーザーにコストパフォーマンスに優れたアパレル、アクセサリー、雑貨などを提供する。創業チームのメンバーはいずれも中国出身で、創業者の薛馳氏は過去にグーグルで、共同創業者の鄧秋霖氏はアリババでの就業経験がある。その他の中心メンバーはLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンやシャネルなど欧州のファッション業界出身だ。
Urbanicは現在、自社ECサイトを運用しており、現地の主要販路も利用したオムニチャネルで商品を販売している。中国発の「SHEIN」などファストファッションブランドのように、頻繁な新商品の投入、コスパのよさ、種類の多さ、豊富なサイズ展開などが特徴で、レディースファッションのアイテムは10万点を超える。
中国発のブランドや越境ECと同様に、中国のファッションサプライチェーンの利点やブランドマーケティング能力、グローバル化された組織マネジメント能力を活かし、精密な運営と現地化したデザインも相まって海外市場で急速な成長を遂げ、一部の国ではファストファッションブランドの上位に名を連ねるようになった。サイト公開からわずか6カ月で月間売上高は数百万ドル(数十~百数十億円)に達した。
掲載されている商品は価格がZARAの3分の1ほどのものもあり、消費が落ち込んでいる海外ユーザーにとってかなり魅力的に映る。ウェブサイト分析のSimilarWebのデータによると、Urbanicの3月のページビューは1100万、そのうち男性が31.43%、女性が68.57%だった。アクセスが最も多い年齢層は18歳から24歳で、UrbanicがZ世代の選ぶブランドの筆頭に上がっている地域もある。
Urbanic最大の強みはユーザーの需要に対するサプライチェーンの反応の速さだ。これはデータに基づいて意思決定する「データドリブン」の手法によるところが大きい。パーソナライズされたレコメンドアルゴリズムを使用し、サプライチェーンを管理・計画することで、商品在庫ゼロのビジネスモデルを作り上げた。受注から配送までの一連の業務、品質管理、返品などに関わるデータを工場が把握できるようにして、在庫計画をより適切に管理し、需要に合わせて生産することでユーザーの注文に応じている。
効率化を支えるのはAIなどの先端技術だ。AIと機械学習に基づく大規模言語モデル(LLM)を活用することで、ファッションデザインやコンテンツをシステマチックに生成し、サプライチェーン全体の効率をファッション業界の新たなレベルに押し上げた。
Urbanicの取締役会で現在唯一の中国側メンバーである復星鋭正は、中国的な要素を備え、かつ世界各国に組織を持つ企業が、これからのグローバル企業発展の大きなトレンドであり、特にAIやEC、IT関連、デジタル決済などの分野ではそれが顕著だと考えている。中国にルーツがあることをことさらに強調する必要もなければ、敢えて隠す必要もないということだ。
*2023年11月30日のレート(1ドル=約147円)で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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