中国・国家電網、人型ロボットなど8500台を1600億円で調達計画——労災リスク9割減を目指す
中国メディアの報道によると、国営送電大手の国家電網(State Grid Corporation of China)はこのほど、「2026年エンボディドAI発展計画」を内部通達し、年内にヒューマノイド(人型ロボット)をはじめとするエンボディドAI設備を約8500台集中調達する方針を示した。総投資額は68億元(約1600億円)規模に上る。
重点分野は電力の監視・点検、活線作業(通電状態での設備保守)、緊急救援、倉庫物流の4つ。調達リストは3カテゴリーに分けて執行され、合計58億元(約1300億円)が充てられる。内訳は、変電所・送電線・山間部の電力網に配備するロボット犬が5000台(約350億円)、配電網や超高圧現場での作業に用いるヒューマノイドが500台(約580億円)、変電所設備の操作や故障処理を担う双腕監視点検ロボットが3000台(約400億円)となっている。ヒューマノイドは単価が最も高く、1台あたりの価格は他の2カテゴリーを大幅に上回る。

残る約10億元(約230億円)は、技術研究開発(8割)と人材育成(2割)に充てられる。調達は四半期ごとに段階的に実施し、1〜3月期に試行導入、7〜9月期に大規模展開、10〜12月期に補充調達を行う計画だ。
人件費と労災リスク削減を両立
国家電網の試算では、これらのエンボディドAI設備を導入することで、1台あたり年間50万〜80万元(約1200万〜約1800万円)の人件費削減が見込まれ、投資回収期間は2〜3年程度としている。監視点検の効率は5倍に向上し、故障時の処理時間は60%短縮される。また、高危険度作業に従事する人員のリスクは90%以上低減し、労働災害発生率は80%減少すると予測されている。
報道によれば、今回の調達に関わるロボット本体メーカーには、雲深処(DEEP Robotics)、宇樹科技(Unitree Robotics)、智元機器人(AgiBot)、優必選科技(UBTECH Robotics)、傅利葉智能(Fourier Intelligence)などが含まれる。
中長期目標として、国家電網は2026年に重点エリアでのエンボディドAI活用率を30%に引き上げ、2027年には高危険度作業シーンでのカバー率を80%超とする方針だ。2030年にはデジタル空間上に電力網を再現した「デジタルツイン」を構築し、全面的な自律運用保守体制の実現を目指す。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)