「前方宙返り」する中国のヒューマノイド「EngineAI」、設立2年で香港IPOへ
深圳に拠点を置く汎用ロボットメーカー「衆擎機器人(Engine AI)」が、非公開の形で香港証券取引所に上場申請書を提出し、具体的な資金調達規模や時期は未定だという。ブルームバーグが事情に詳しい関係者の話として報じた。すでに今年4月、同社幹部は年内に香港での上場を計画していると公言していた。
2023年10月に設立されたEngine AIは、中国の人型ロボット(ヒューマノイド)分野で注目を集めるスタートアップ企業だ。創業者の趙同陽氏は、かつて電気自動車(EV)大手・小鵬集団(Xpeng)傘下のロボット企業「鵬行智能(Xpeng Robotics)」で、二足歩行型の人型ロボット「PX5」の研究開発を主導していた。
Engine AIは今年4月、シリーズBで2億ドル(約320億円)を調達した。河南投資集団(Henan Investment Group)傘下の匯融基金管理が主導、電子機器受託製造(EMS)大手の立訊精密工業(ラックスシェア)が戦略的出資者として参加し共同主導した。資金調達後のEngine AIの評価額は100億元(約2400億円)を突破した。
技術面では、同社は中核部品、運動制御アルゴリズムからエンドツーエンドのエンボディドAI(身体性を持つ人工知能)システムに至るまで、すべて自社で開発しており、2つ業界で画期的な成果を挙げたと発表している。1つ目は、世界で初めて「直膝歩行」を採用した人型ロボットで、歩行時に膝をほぼ伸ばした状態を保ち、姿勢がより人間らしく、省電力性も高い。2つ目は、世界初となる「前方宙返り」を成功させた人型ロボットで、前方への宙返りは後方宙返りよりも難易度が高く、バランスや着地制御に対する要求がより厳しい。
製品面では、すでに様々な価格帯を網羅する製品ラインを展開している。科学研究・教育向けの二足歩行ロボット「SA01」は販売価格が3万8500元(約92万円)から、軽量で高い動的性能を備えたエンボディドAIロボット「PM01」は8万8000元(約210万円 )、 主に工業分野を対象とするフルサイズ汎用人型ロボット「SE01」は約15万~20万元(約360万~480万円 )、2025年12月に発表された次世代フルサイズモデル「T800」は18万元(約430万円)からとなっている。
Engine AIの製品は現在、物流・倉庫、フレキシブル組立、警備・巡回検査、研究・教育など多岐にわたる分野に導入されている。また、交通管理やモバイル小売などの分野から大量調達の意向を獲得しており、量産に向けた生産拡大を進めている。
*1ドル=約161円、1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)