人型ロボットにも「ODM」の波 中国BXI Robotics、完成機を最短6カ月で開発
人型ロボット(ヒューマノイド)の設計・製造受託(ODM)事業を手掛ける中国スタートアップ「半醒具身(BXI Robotics)」はこのほど、索辰信息科技(DEMX)から1000万元(約2億円)規模の資金を調達した。2025年に上場企業の飛栄達科技(FRD)が機関投資家として初めて同社に出資している。今回の資金は主に次世代人型ロボットの開発と海外市場の開拓に充てられる。
半醒具身は2022年設立、開発チームはそれより早く2020年から人型ロボットの開発を手がけてきた。ロボット本体の設計から関節モーター、運動制御アルゴリズム、アプリケーション開発まで、フルスタックのODMサービスを提供しており、人型ロボットの完成機を納品できる、中国でも数少ない企業のひとつとなっている。
人型ロボット市場が熱を帯びるなか、自社ブランドの製品投入を目指す企業が増えている。しかし自社開発には通常2年から3年かかり、開発チームの立ち上げも必要となるほか、多額の初期投資を回収するまでには長い時間を要する。半醒具身は、こうした現状がエレクトロニクス業界と同様のODM需要を生み出していると見ている。顧客側も、成熟したプラットフォームを調達し、自社の活用シーンに応じて二次開発をする傾向が強まっている。

半醒具身は単に既製部品を組み合わせるのではなく、ロボット完成機に対する需要から部品設計を逆算するアプローチを採用、モーターやモーター制御、アルゴリズムに至るまで、全工程に対応できる体制を段階的に構築した。初期の市販製品が動的性能の面で不十分だったことから、最大トルク800ニュートンメートル(N・m)の遊星歯車関節モーターと、1000Hzのモーター制御システムを独自に開発した。現在は遊星歯車中空関節モーターモジュールを「BXI-50」「BXI-70」「BXI-85」の3モデルで展開しており、人型ロボットの全身31自由度に対応できる。
半醒具身では「実地検証」を製品競争力の柱と位置付ける。2025年に北京市で開催された初の人型ロボットハーフマラソン大会で、改造していない量産モデル「精霊2」が完走を果たした。26年にはアップグレードした「精霊3」で再び参戦、完走タイムを150分に縮め、トップグループに食い込んだ。同社は、このような長時間で高負荷の走行によって人型ロボット完成機の信頼性を検証でき、顧客が製品を評価する重要な判断材料になると考えている。

半醒具身はすでに、株主である飛栄達の生産体制を活用して量産能力を構築しており、現時点での月産能力は数十台、将来的には100台以上への拡張が可能だ。2026年7月からの1年間で単月の受注金額が1000万元(約2億円)を超える見通しで、年間売上高は1億元(約20億円)突破を見込んでいる。
顧客企業には、IT企業や自動車メーカー、ロボットメーカーなどが含まれ、繊維業界、太陽光パネルの清掃、無人洗車などにも活用されている。中国国内だけでなく、米国からも受注を獲得しており、日本や韓国、欧州の市場開拓も進めている。
今後の製品展開については、ロボットハンドやセンシングシステム、計算プラットフォームなど中核モジュールも展開する計画だ。半醒具身は、人型ロボットの「歩く・走る」といった基本機能はほぼ成熟して、次なる競争軸は「複雑なタスクをこなせるか」へとシフトしつつあるとし、ロボットの作業遂行能力が新たな競争の焦点になると考えている。

*1元=約23円で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)