Momentaと組む中国の車載チップ新興、累計調達1200億円に迫る ルノー系資本も参画
車載AIチップを開発する中国スタートアップ「新芯航途(XHEART)」はこのほど、戦略ラウンドで資金を調達した。出資者には、中金雷諾(CICC Renault)、奇瑞汽車(Chery Automobile)、長鑫科技(CXMT)などが名を連ねる。調達額は非公表だが、これまでの累計調達額は50億元(約1200億円)に迫るという。
新芯航途は2023年末に設立。同社は、26年7月に香港市場に上場した自動運転企業「Momenta(モメンタ)」と密接な関係を持つ。公開情報によると、Momentaの創業者や経営幹部は、関連する持ち株プラットフォームを通じて、新芯航途の株式を間接的に保有しているという。
26年8月には、新芯航途、Momenta、BlackBerry傘下の「QNX」が自動運転プラットフォームを共同構築すると発表した。新芯航途が車載グレードのチップ「X7」、Momentaが自動運転アルゴリズム、QNXが安全性を重視したオペレーティングシステム(OS)をそれぞれ提供し、自動車メーカー向けに量産対応のソリューションを展開する。
主力製品のX7は、都市部での高度運転支援を主な用途とし、レベル3(L3)およびレベル4(L4)の自動運転市場も見据えている。26年2月には、車載電子部品の信頼性規格「AEC-Q100」に基づく信頼性検証を通過した。現在、X7は上汽大衆(SAIC Volkswagen)の「ID.ERA 9X」や「MG07」の一部グレードに搭載されており、さらに栄威(ROEWE)、キャデラック、奇瑞汽車傘下ブランドの関連車種への採用拡大を進めている。
今回の資金調達は、自動車メーカーとの取引関係とサプライチェーン連携の両面を意識したものとなっている。ルノー系資本と奇瑞の出資は、中国国内外の車種プロジェクトの獲得を後押しする可能性がある。一方、長鑫科技はすでにLPDDR(低消費電力ダブルデータレートメモリ)の規格の1つである「LPDDR5X」について、車載グレードの製品を量産し、市場に投入している。これにより、メモリーチップの適合や供給面で協業の余地が生まれる可能性がある。ただし、現時点で両社の具体的な調達契約や共同研究開発の計画は公表されていない。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)