ゴンチャに続けず……お茶ドリンク、日本で苦戦続く中国系ブランド

中国の人気ティーブランドが日本市場の厚い壁に阻まれ続けている。進出するたび話題になるが、支持を広げられない。日本に定着した台湾発の「ゴンチャ(貢茶)」と明暗が分かれている。

進出相次ぐが……

中国のティーブランドは日本で苦戦続きだ。日本の店舗に実際足を運んでみたが、オープン当初は行列ができたとしても、リピーター獲得は難しいと感じることが多かった。

有名どころで最初に進出したのは「奈雪的茶(Naixue)」だ。

2020年、奈雪乃茶は大阪に日本1号店をオープンした。

フルーツティーやソフトパンを提供し、中国ティードリンクチェーンとして初めて上場を果たした奈雪的茶は2020年に大阪に1号店をオープンしたが、翌年2021年に閉店した。

次に話題になったのは、低価格のソフトクリームやフレッシュレモネード、タピオカミルクティーを売りに、世界で5万店舗を展開する「蜜雪冰城(MIXUE)」。は2023年に東京に出店し、池袋や原宿に店舗を構えた。しかし初期の店舗の多くが閉店し、現在は池袋や横浜、新大久保など数店舗で展開するのみだ。

2023年に日本に進出した蜜雪冰城(MIXUE)。

2025年にはチーズティーやフルーツティーが人気の高級ティーブランド「喜茶(HEYTEA)」は大阪に1号店を出したが既に閉店している。

HEYTEAは中国でプレミアムブランドという立ち位置だったが、最近は競争激化で1杯あたりの単価は20元(500円弱)台まで下がっている。ところが日本ではフルーツティーの価格を1000円近くに設定していた。ブランドの認知度が低い日本で、本国の約2倍の価格には高すぎると感じた。

喜茶(HEY TEA)の日本店舗は1杯当たりの価格が1000円近くした。

中国ではお茶ドリンクのスタンドが至るところにあり、ドリンクをテイクアウトして他店や飲食店に持ち込む文化が定着している。一方日本では持ち込みNGの飲食店も多い。日本では中国に比べると街中にゴミ箱が少ないこともあり、飲み歩きスタイルのハードルも高い。実際にタピオカブームだった2019年頃には原宿でタピオカドリンクのゴミが放置されたことが話題になり、タピオカ専用のゴミ箱が設置されたこともあった。

また、MIXUEでは500ミリリットルl以上の大容量のドリンクが低価格で買えるのが売りだが、日本人の自分にとっては量が多く、自販機やコンビニのペットボトルでいいと思ってしまうこともよくある。

中国外食チェーン、日本進出後の勝敗は?ーー<ドリンク>編

ゴンチャは240店超え

中国本土のブランドが苦戦する一方で、タピオカバブルの崩壊を経ても日本市場で堅調に成長を続けているのが、2015年から日本で展開するゴンチャだ。

同ブランドは台湾が発祥だが、2010年代には韓国の投資ファンドが経営権を取得し、世界展開を加速させた。2019年には米国の投資ファンドに売却され、現在は英国ロンドンにグローバル本社を置く。2026年8月には米投資ファンドのベインキャピタルが買収を発表した。

ベインキャピタル、台湾発「ゴンチャ」を買収へ 日本での出店拡大を継続

日本での展開はゴンチャ ジャパンが担っている。店舗数はタピオカブームの追い風が強かった2019年の57店舗から、2026年7月時点で244店舗に増えている。データをみてみると2025年の日本市場での年間来客数は4000万人を超え、日本の1店舗当たりの売り上げは今年、本部がある韓国を抜いて世界1位に立つ見込みだ。

ゴンチャはティードリンクの種類の拡充やドリンクサイズ、出店形態などを日本市場でも受け入れられるよう細かく調整を重ね、長期にわたって成長を続けている。たとえば、ゴンチャは日本市場に合わせたサイズ展開を行なっており、アイスだと360ミリリットル、ホットだと325ミリリットルといったSサイズが導入されている。

次に来るのはCHAGEE?

CHAGEEの日本進出も噂されているが……(浦上早苗撮影)

中国ブランドが振るわない中、日本進出が噂されているのが「覇王茶姫(CHAGEE)」だ。2017年に中国・雲南省昆明で創業したティーブランドのチェーン店で、中国全土に加えて、東南アジアなどにも店舗を拡大している。2024年にはインスタグラムでCHAGEE JAPANのアカウントが作成されており、既に1.6万人ものフォロワーがついている。

具体的な出店計画は不明だが、日本人の若い女性を中心にSNSでは「CHAGEEが美味しいのでおすすめ」といった投稿が多くされており、上陸すれば初期のバズを生む可能性は高い。

一過性のブームで終わらせず定着させるためには、日本人客にも受け入れられやすい価格帯、手頃なサイズ感、ゆったりと利用できるようなカフェ店舗のような日本市場にアジャストした設計が必要だろう。

CHAGEEが現時点で海外展開している韓国やマレーシアなどの店舗をみると、広めでゆったりとしたカフェ型になっていたり、値段も日本円換算で600円程度とティースタンドでの標準的な価格の範囲内となっている。日本に進出し、苦戦する中国系ティースタンドの最初の成功例になる姿をみてみたい。

(文・写真:阿生)

東京で中華を食べ歩く会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。X:iam_asheng

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