越疆科技、シリーズA+で1億元の資金調達 。軽量マニピュレータ、多方面の活用を模索
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自宅で3DプリントやSTEAM教育、軽量マニピュレータの活躍に期待
2018年6月28日、中国・深セン市に本部を置く軽量マニピュレータ製造企業・越疆科技(ユエジャン・テクノロジー)の正式発表によると、同社は松禾資本(グリーンパイン・キャピタルパートナーズ)から、シリーズAラウンド+の資金調達に成功。主に、教育や工業領域での発展や、技術の探求に用いる方向だと発表した。越疆科技は過去にも、創新投資集団(シェンジェン・キャピタルグループ)や前海母基金(チエンハイFOF)から、7000万元近くに及ぶAラウンド投資を獲得していた。(※2018年7月現在、1元=16~17円)
個人でも使えるデスクトップ型ロボットアーム
36Krでは昨年、越疆科技を「デスクトップ型ロボットアームをメイン商品としたテクノロジー企業」と紹介している。従来の産業用ロボットは非常に重く、サイズも大きいものだった。また、導入コストも膨大なため、小型製品を扱うメーカーの間ではあまり振るわなかった。越疆科技はまさに、そこに目をつけたのだ。消費市場と軽工業市場のユーザに向けて、協働ロボットとしての軽量マニピュレータを開発し、その幅広い活用法を今後も模索していくという。
越疆科技は、教育・工業・消費分野をターゲットとしたマニピュレータとして、5つのシリーズを発売している。企業研修・STEAM教育用ロボット「DOBOT MAGICIAN(DOBOT魔術師)」、産業用ロボットアーム「DOBOT M1」、3Dプリントやレーザー彫刻、CNC彫刻、書写・描写機能などを備えた個人向け工芸用ロボット「DOBOTMOOZ(DOBOT魔組)」、スマートフォン用スタビライザーの「DOBOT RiGIET(DOBOT睿記)」、子供向けプログラミング教育デバイス「Kodemon(萌新編程号)」などが、これらに含まれる。

自宅でコーヒーを淹れてもらい、3Dプリントまでお手の物
教育や一般向けの分野では、卓上コーヒーメーカー、お菓子メーカー、3Dプリンター、レーザー彫刻、書写、描画などの方面で展開を見込んでいる。これらは「Dobot Blockly」と呼ばれるビジュアルプログラミング・プラットフォームによって、初心者のユーザでも簡単に、直感的にプログラミングができるようになっている。
工業分野では、主にディスペンシング、溶接、ベルトコンベアでの塗布、組立、分別用ロボットアーム、工業3D検査などのシーンで用いられる。更にテンセントクラウド(騰訊雲)との協業に合意し、スマートファクトリー建設を推し進めている。

ノートパソコンのように軽く、操作も簡単
松禾資本の総経理・白雲帆(バイ・ユンファン)氏は、「我々は軽量型協働ロボットの分野に期待している。越疆科技の開発した統合制御技術は既に最先端の技術で、コストの大幅な削減にも成功している。さらに、彼らは動力学計算法を協働ロボットに応用することに成功した。これは中国国内の企業でも数えるほどしかない例だろう。彼らのマニピュレータは軽量化に成功したことでまるでノートパソコンのように使え、同時にビジュアルプログラミングも搭載され、操作の複雑性が解消されている。これは越疆科技の非常に独特な強みだ」と述べている。
設立わずか3年、精鋭揃いの新興企業
越疆科技によると、同社の2018年上半期の売上は5000万元を突破。年間売上300%増を実現し、企業評価額は推定10億元を超え、世界のロボットアーム市場で占有率70%に達した。
現在、越疆科技は清華大学、上海交通大学、シドニー工科大学などの国内外の有名大学と技術・開発提携を進めている。またHUAWEI(ファーウェイ、中国通信機器大手)、BOSE(米国の音響機器メーカー)、周大福(香港の複合企業)、Google、Abilaba Cloud(アリババクラウド)などの有名企業とも協業に合意した。
越疆科技は2015年に設立され、社員数は現在200人に達し、うち60%が技術者。自社で取得した知的財産権は200項目を超える。山東大学、ハルピン工業大学、中国科学院やマサチューセッツ工科大学(MIT)など国内外の有名校、スイスの重電メーカー・ABBやHUAWEIなど大企業の出身者を揃えている。