ボルボ傘下高性能EVポールスター、「テスラのコピーでは意味がない」ー北京モーターショー

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

ボルボ傘下高性能EVポールスター、「テスラのコピーでは意味がない」ー北京モーターショー

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

北京モーターショー2020(Auto China 2020)で、高級車大手「ボルボ・カー(Volvo Cars)」傘下のEVブランド「ポールスター(極星)」がコンセプトカーの「プリセプト(Precept)」をお披露目した。

この重要な瞬間のために、ポールスターのトーマス・インゲンラート(Thomas Ingenlath)CEOは遠路はるばる中国にやって来て、入国後14日間の自己隔離を行った。彼はこのモーターショーに海外から参加した数少ない経営者の一人である。

ポールスターは創業以来、業界で米電気自動車(EV)大手テスラのライバルと評されてきた。同社はもともとボルボの高性能EV開発部門だったが、2017年10月にEVブランドとして正式に独立した。その後「ポールスター1」「ポールスター2」、プリセプトの3モデルをリリースした。

このモーターショーでプリセプトの量産開始も発表された。「次にリリースするSUV型『ポールスター3』など、今後さらに多くのモデルを提供できるよう尽力する」という。

「北京モーターショー2020」でお披露目されたプリセプト:撮影「未来汽車日報」

「一晩でテスラを抜けるとは思っていない」

ポールスター2の仕様は、ライバルのテスラ「モデル3」とほぼ同等だ。ポールスター2が搭載するバッテリー容量は72 kWh、NEDC(新欧州ドライビング・サイクル)での航続距離は500 km、4.7秒で時速100kmまで加速する。モデル3の航続距離はアップグレード版が460kmで、時速100kmまでの加速時間は5.6秒である。

今年、ポールスター2は浙江省台州市の工場で生産を開始、中国や欧米での販売が始まった。欧州各地での販売実績が際立っており、テスラをさえ上回る。

「ノルウェー交通情報評議会(OFV)」の調べでは、ポールスターは8月に504台を販売し、モデル3の264台を上回った。スウェーデンの自動車販売組合「bil sweden」の調べでも、8月のポールスター 2の販売台数は284台、Model3は235台である。インゲンラートCEOは以前「ポールスター2の目標は、2〜3年以内に年間販売台数を5万台以上にすることだ」と述べていた。しかし、中国市場の勢いは欧州ほど好調ではない。

量産、工場建設ともにスピーディーなテスラと比較すると、ポールスターはいくぶんスローペースだ。しかし、テスラがここまで発展したのは多年に及ぶ努力の結果であることを忘れてはならない。インゲンラートCEOは「一晩でテスラを追い抜けると考えるのは、あまりにも考えが甘い」と語る。しかし、彼は近い将来に中国でも地歩を固めたいと考えている。

「テスラのコピーでは意味がない」

ポールスターは誕生以来、しばしばテスラと比較されてきた。しかしインゲンラートCEOは「テスラをコピーすることに意味はない。我々は 『もう一つのテスラ』を志しているわけではない」と語る。

インゲンラートCEOは、ポールスターのなすべきこととは、業界のギャップを埋め、独自の方法でより高品質な製品を提示することだと考えている。「テスラだけでなく、メルセデスベンツ、BMW、アウディなどの高級車とも競合していきたい」という。

ポールスターはニュータイプの高級車を創出するため、リサイクル可能な素材や天然素材の比率を高めた。ポールスター2のシートには、ウエットスーツにも使用されるWeave Techの生地を採用、快適性と耐久性を両立させ、かつ車両重量を7.5kg軽量化させることに成功した。

プリセプトでは、天然繊維コンポジット材料を開発する「Bcomp」社と提携して、インテリアパネル素材にプラスチックではなく、同社の天然亜麻繊維コンポジット材「ampliTex™」を使用している。これにより、インテリアパネル全体で最大50%の軽量化、プラスチック使用の80%削減、振動の250%削減に成功した。

プリセプトの内装::ポールスター公式サイトより

ポールスターは独立以来、「市場での発信力が弱い」と批判されてきたが、現状を変えるべく、今年になって一連の措置を講じてきた。

3月に、まず中国地区の総裁をマーケティングのベテラン高竑氏に交代させた。高氏はポールスターに入社する前、フォルクスワーゲン・グループ・チャイナで販売計画を担当し、それ以前は英高級車「ベントレー」などで販売およびディーラーネットワーク拡張などの上級管理職を歴任してきた。

変化は人事異動だけではない。インゲンラートCEOは「ポールスターの2020年の目標は、売上高だけに限らない。納品が集中した今年、ブランド構築、チャネル開発、ユーザーエクスペリエンス向上にも取り組む」と述べている。

例えばマーケティングでは、「これまでの自動車メーカーは秘密主義で、新車発表会の当日まで誰も詳細を知らなかった。しかし我々はむしろ、より多くの顧客やメディアにもっと関わってもらいたいし、車両のセールスポイントやブランドストーリーをもっと魅力的に伝えたいと願っている」という。

現在、ポールスター2は、親会社のボルボが運営する正規販売店「ポールスター・スペース」で販売およびサービス提供を行っている。ポールスター・スペースは現在、11店舗が開設されているが、年末までには北京、上海、広州、深圳などの一級、二級都市に20店舗を新設する計画だ。(翻訳:永野倫子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録