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オンライン美術教育を展開する「美術宝教育(meishubao.com)」が米国でのIPOを申請したことがわかった。証券引受人はゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーだ。この件について、美術宝教育からコメントは得られなかった。
中国のオンライン教育で米国上場を目指す企業はこれで3社目となった。ほかの2社は「掌門教育(Zhangmen Education Technology)」と「火花思維(Spark Education)」だ。
美術教育を展開しようとする企業は増え続けており、オンライン教育ユニコーンの「猿輔導(Yuanfudao)」は3月19日に正式に美術教育を始める予定で、バイトダンスも関連事業を準備中だ。
美術宝教育は3歳〜18歳までの子供が対象で、現在世界の160の国と地域で事業を展開している。50万以上の有料ユーザーを持ち、登録ユーザー数は500万以上に上る。
美術宝教育の直近の資金調達は今年2月に行われた4000万ドル(約44億円)のシリーズD+だ。昨年12月にもシリーズDで2.1億ドル(約230億円)を調達した。
これまで美術宝教育は計8回の資金調達を行い、22億元(約370億円)以上を調達した。うちシリーズCとC+のリードインベスターはともにテンセントである。
資金調達の順調さを裏付けるように、同社の事業拡大も順調だ。当初の事業である美大受験生向けのオンラインコミュニティは、創業2年目にユーザー数が200万を超えた。2017年からは中国各地の300カ所の美術学校と提携。2018年から開始したオンラインマンツーマンレッスンは、開始から1年後にユーザーが9万人超となり、年間売上高が6億元(約100億円)となった。このレッスンは主に既存ユーザーから新規ユーザーの紹介を受ける形で受講者を増やしており、これまでの受講者の60%が紹介によるものだ。
新たな収益事業として、同社は2020年に3歳〜8歳の子供向けのAI美術レッスンをローンチした。このレッスンは低価格と正規価格の2つのコースがあり、低価格受講者の約25%が引き続き正規価格のコースも受講している。この事業の成功により、同社の年間売上高は20億元(約340億円)を超えた。
現在の美術宝教育の従業員は約5000人で、登録済みの教師は2万人以上だ。
美術教育については、K12(幼稚園から高校まで)教育ほど大きな市場にはならないと思われがちだ。しかし、美術宝教育の創業者である甘凌CEOによると、中国には美術入門教育を行う学校が約30万もあり、それだけで1200億元(約2兆円)規模の市場になる。そこに近年成長の著しいオンライン教育が加わればより大きな市場となる。また、美術のAIレッスンはすでに広く行われており、安定した品質の授業を提供することが可能だ。
さらに、美術教育には、子供向けだけでなく、受験生向けや社会人向けの職業教育、生涯学習という市場もある。そのため、幼児から高齢者まで、すべての人が顧客になる可能性があると甘氏は考えている。
(翻訳・小六)
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