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がん患者のためのサービスプラットフォーム「暖陽健康(Nuan Yang Jian Kang)」は、世界中の最新治療の情報を提供している。
サービスの流れは以下の通り。
・暖陽健康と提携した専門家が遠隔問診する。
・問診に基づき、専門家が治療法を提案する(対応する検査は国内病院で行う)。
・提案に基づき、同社の医学顧問がレポートを作成する。
・レポートを海外の医師が分析した上で、治療計画を選定し、対応する処方箋を出す。
・患者はその処方箋により国内または海外で薬を買う。
中国の医療水準はすでに世界トップレベルに近づいているが、医薬品の導入は遅れている。米国の国立がんセンターで使用されているがん治療薬141種のうち、中国に導入されているのは46種に過ぎない。また、過去2年間に全世界で55種の新薬が発売されたが、中国に導入されたのは5種のみだ。
暖陽健康は、国内の患者に世界の医療へのアクセスを提供するとともに、タイムリーなフォローアップ治療サービスも提供する。同社創設者の劉少龍(Liu Shao Long)氏は「米国、日本、香港、インド、バングラデシュなどの病院40カ所、10の医療機関と提携しており、様々な経済状況の患者が選択できるようにしている」と語る。
先進国の最新療法を受けられるようにする一方で、インドなど特殊な特許制度を持つ国から安価で効果が高い新薬を手に入れることもできる。このほか、腫瘍治療で有名な医師や臨床実験なども紹介しており、患者は最新治療を自分で選択できる。
現在、同社は国内の大病院に所属する600人近い医師とも提携している。医師は、同社に患者を紹介して治療経過を管理するとともに、新薬での治療経験を積むことができる。
同社はサービス開始から半年ほどで、すでに800人以上の患者にサービスを提供。サービスは、問診1回のみで数千元(数万円)、3~6カ月のサービスパッケージで1万元(約16万円)の2種類だ。
劉少龍氏は「現在の主な対象は中~末期のがん患者だが、今後はがんだけではなく、重大疾病の治療や早期スクリーニングなどにサービスを拡大したい。また、患者のデータを蓄積して、製薬会社の新薬導入にかかる時間を短縮していきたい」と語る。
2018年のデータによれば、中国のがん患者数は世界最多で、毎日1万人ががんと診断されている。中国都市部のがん治療費は1人当たり1万ドル(約110万円)近い。一般に末期がんの治療費は十数万から百万元(約160万円~1600万円)と言われており、暖陽健康が対象とする市場の規模は1千億元(約1兆6千億円)近くになる。
劉少龍氏はアメリカでバイオメディカルエンジニアリングを学び、シリコンバレーの医療情報サービス「MORE Health」で遠隔診療による医療サービスに従事するなど、一貫して医療情報サービス分野で経験を積んできた。暖陽健康はすでにエンジェルラウンドで数百万元(数千万円)を調達している。
(翻訳・神江乃緒)
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