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日本の乙女ゲーム市場にこのほど、中国からの挑戦者が現れた。
乙女ゲームとは1990年代に日本で生まれたゲームで、主人公の女性が男性キャラクターを攻略対象とする恋愛シミュレーションだ。日本は乙女ゲームの発祥地で、プレーヤーが名作とあがめる乙女ゲームが数多くあるが、現在では以前ほどの盛り上がりは見られない。そんななか中国の乙女ゲームが日本に進出し、久しぶりに市場がざわついている。
モバイルゲームを開発する「畳紙網絡(Papergames)」が1月17日にリリースした「恋と深空(Love and Deepspace)」日本版は、たちまち日本のiOSダウンロードランキングのトップに躍り出た。人気は今も衰えていない。畳紙網絡の「恋とプロデューサー(EVOL×LOVE)」は2017年に中国ゲーム市場で乙女ゲームブームに火をつけた。
恋と深空は1月23日にX(旧ツイッター)日本版のトレンドランキングで1位になり、売れ筋ランキングでも非常に堅調で、2月上旬時点では日本のiOS売れ筋ランキングで46位だった。1日の売上高は10万ドル(約1500万円)前後で、日本の乙女ゲームの一般的な1日の売上高を大きく超えた。
乙女ゲームは中国では登録ユーザー数がややもすれば1億を超え、DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)が数百万人と盛況なのに比べ、日本では状況が大きく異なる。日本のゲームに関するデータ分析機関Game-iの統計によると、23年12月から24年1月にかけて日本の女性向けモバイルゲーム市場で人気だったのは「あんさんぶるスターズ!!Music」に代表されるアイドルを題材にした育成ゲームや、あるいは「刀剣乱舞ONLINE」のような日本刀を擬人化した育成ゲームで、恋愛要素のある乙女ゲームは月間売上高トップ10のうち2作品だけだった。
日本のプレーヤーに違いを感じさせる
育成ゲームが主流を占める中、日本の女性向けゲーム市場では話題をさらうような乙女ゲームが長らく登場していない。
恋と深空は「恋と」シリーズの2作品目で、舞台設定は2034 年の臨空市だ。プレーヤーは、街に現れた謎の怪物に対抗するハンターになり、性格や能力が異なる3人のパートナーとストーリーを展開する。SF要素を取り入れた恋愛シミュレーションだ。
乙女ゲームが日本に登場してもうすぐ30年になる。日本のメーカーはさまざまな題材やプレイ方法を試したが、ありきたりの乙女ゲームではプレーヤーは見向きもしなくなった。今回の恋と深空には大きな差別化ポイントがある。それは戦闘パートだ。
恋と深空ではプレーヤーの操作する主人公がパートナーとペアになって戦う。パートナー(通常男性)はバトルの間プレーヤーに励ましの言葉を掛けるなどして、2人で力を合わせて怪物を倒す。このバトルパートは日本でもまずまずの評価で、恋と深空が初めての乙女ゲームだというプレーヤーも少なくない。
もちろん、戦闘パートは恋と深空の挿入歌のようなもので、ゲームの大部分はミッションをこなしたりパートナーとやり取りをしたりする。そうした中でパートナーと親しくなっていく。課金は衣装やカードのガチャに集中している。カードには「床ドン」、「入浴」などがあり、しかも3Dグラフィックなのでリアルで、非常に臨場感がある。丁寧なローカルマーケティングを展開したかいもあって、日本は海外でも最大の市場となった。
*2024年2月27日のレート(1ドル=約150円)で計算しています。
作者:白鯨出海(WeChat公式ID:baijingapp)、李爽
(翻訳:36Kr Japan編集部)
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