中国トレカ「Hitcard」、サイバーエージェント系に続きテンセント系からも資金調達

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中国発のトレーディングカードブランド「Hitcard」が、IT大手テンセント(騰訊控股)傘下の電子書籍大手・閲文集団(China Literature)の主導で資金を調達した。閲文集団はHitcardの株式10%を取得する見込みだ。

Hitcardは2021年に上海騎形網絡科技が立ち上げたアートトイIPのトレーディングカードブランドで、自社が保有するIPのトレカ開発を主力事業とし、他のブランドとコラボトレカの開発も手掛けている。

Hitcardは今年8月、日本の娯楽メディア最大手のサイバーエージェント傘下にあるゲーム企業Cygamesと、ゲーム開発とIPプロデュースのアカツキ、フィギュアシリーズ「ねんどろいど」を手掛けるグッドスマイルカンパニーからの資金調達を公表したばかりとあって、業界からの注目度は極めて高い。これより前には、アートトイブランドのPOP MARTや紅杉中国(HongShan、旧セコイア・チャイナ)などもHitcardの資金調達に関わっている。

今回の資金調達により、閲文集団の傘下ブランド「閲文好物」はHitcardとの提携を強化し、IPビジネスの協力範囲を拡大することで、カードの楽しみ方を広げていくほか、Hitcardの工場や販売チャネルを利用してより多彩な関連グッズを展開する。閲文好物は閲文集団傘下でIPビジネスを展開し、キャラクターグッズやカード、ぬいぐるみ、フィギュア、日用雑貨などファンや若者に人気のある商品を主に扱う。これまでに二次元界隈で人気のバッジやホログラムチケット、ブラインドボックスなどのグッズ販売、店舗や専門売り場の運営を手掛けてきた。

閲文好物とHitcardは共同で、今年5月に中国の大ヒット時代劇「慶余年」のトレカを、9月にはファンタジー小説「詭秘之主」のトレカを発売した。年内に大人気ウェブ漫画「一人之下」や、ウェブ小説「闘破蒼穹」のトレカもリリースする予定だ。今後は国内外でトレカの同時発売も計画している。閲文好物はHitcardと協力するほか、トレカブランドの集卡社(CARD.FUN)とも映画をテーマとした多数のカード開発で提携している。

有名アニメ・漫画IPの獲得を武器に急成長、中国トレカの「集卡社」がビリビリ動画から資金調達 

閲文集団の発表によると、テンセントとHitcardが「慶余年・二」の放映期間中に発売した公式トレカは、放映開始前の段階ですでに予約が2000万枚を超えていたという。

「慶余年第二部」のトレーディングカード

トレカ経済は拡大を続けている。「2023年中国トレーディングカード市場研究報告」によると、2022年に中国のトレカ市場は前年比で42.1%増加し、100億元(約2100億円)超えの規模となった。財通証券(Caitong Securities)によると、今後3年間で300億元(約6200億円)を突破すると見込まれている。

IPの商品化はIPビジネスが成熟に向かっていることの象徴だ。ウィキペディアのデータを基にしたまとめによると、世界で売上高の多いIPの上位50点は、ほとんどがグッズ販売とライセンスで収益を上げている。例えばディズニーの「ミッキー&フレンズ」では、これまでの収益の99%以上がグッズ販売によるものとされている。

*1元=約21円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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