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自動車産業のEVシフトが加速する中、ステアリングやブレーキなどの操作を従来の機械的機構ではなく、電気信号で伝達する「バイ・ワイヤ」技術が急速に普及している。なかでも、電動機械式ブレーキ(EMB)は高い制動性と応答性を誇り、「究極のブレーキ方式」として注目されている。
この分野に注力する企業の一つが、2022年に設立された「謀行科技(MITION)」だ。同社は江蘇省南通市に本社と生産拠点を、上海市に研究開発センターを置き、主に完成車メーカー(OEM)向けに、EMBシステムや車両統合制御システムを提供する
2024年8月には、シリーズAで涌鏵投資(Yonghua Capital)と新源投資(Xinyuan Investment)から資金を調達(金額は非公表)している。また、すでに新エネルギー車産業向けスマート機器を手がける中科摩通(常州)智能制造とEMBプロジェクトで提携し、シャシー・バイ・ワイヤ技術の開発や生産、完成車への応用を進めている。
謀行科技は2024年12月20日に、乗用車向けと商用車向けにバイ・ワイヤ技術を採用したEMBシステムを発表。同時に、業界トップの自動化設備サプライヤーと共同で建設した中国初のEMB専用量産ラインも始動した。
近年、新エネルギー車の普及が進むのに伴い、高い性能を誇るEMBが存在感を増している。制動性やレスポンスに優れ、正確なコントロールが可能なため、究極のブレーキ方式と見なされるようになっている。
謀行科技のチーフサイエンティストArmin Leuschner氏の説明によると、EMBは最先端のブレーキシステムであり、迅速な応答メカニズムと冗長設計を組み合わせることで、強固な安全性を保証できるという。ブレーキオイルを必要としない機械式ブレーキは、環境に優しく、持続可能な社会を実現する上でもプラスに働く。また、部品構成がシンプルなため、シャシーへの設置に伴う自由度が大きく増すほか、取り付けプロセスもかつてないほど簡単になるため、メーカーの生産効率を高め、車両全体の性能向上も見込める。
謀行科技の乗用車向けEMBは、コンパクトカーから大型車両まで幅広い車種に対応でき、標準製品の反応速度は0.1秒以下。さまざまな車種やメーカーのニーズを広く満たせるようクランプ力の異なる3種類の製品をそろえ、総合的かつ効率的なブレーキソリューションを提供する。
商用車向けEMBの分野では、従来のシリンダーに代わる電動ブレーキアクチュエーターで商用車の性能向上を図るとともに、変化する市場ニーズや課題に対応できる次世代の商用車向けEMBの開発に力を注いでいる。
謀行科技は、技術革新の加速を目的に、大学との共同研究にも積極的に取り組んでいる。24年12月の発表会では、武漢理工大学と人材育成基地の設立、蘇州大学と「EMB合同研究室」の開設を発表し、産学連携を強化する姿勢を示した。
(翻訳・畠中裕子)
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