トヨタやソニー、中国で現地化とウィンウィン協力進める 上海国際モーターショー

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上海国際モーターショー

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中国上海市の国家会展中心(国家エキシビション・コンベンションセンター)で23日~5月2日、第21回上海国際自動車工業展覧会(上海国際モーターショー)が開催されている。日本企業も多数参加しており、トヨタに代表される自動車メーカーのほか、ソニーなどの自動車技術・サプライチェーン企業の姿もある。多くの日本企業は、現地化戦略の継続的な深化、中国の自動車メーカーとの協力模索によるウィンウィンの実現を発展戦略として掲げている。

トヨタ中国はこのモーターショーで、同社の中国チーフエンジニア主導により開発された多くのモデルを発表した。トヨタ中国の李暉総経理は「鉑智3XとbZ5は、中国の自動車文化を熟知した中国のチーフエンジニアが開発を主導した純電気自動車(BEV)モデルになる」と述べ、現地化戦略は中国への適応から中国による定義へと転換する必要があるとの見方を示した。同氏は、トヨタは中国人の頭脳と方法を用い、中国の考え方に焦点を合わせて製品の研究開発を行い、真に中国の消費者のニーズに応える製品を生み出そうとしており、特に研究開発面では中国市場の状況を踏まえ、製品開発に関する決定権を本社から中国へ移管していると紹介した。

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李氏はまた、「中国を世界の研究開発と技術イノベーションの新たな中心と位置づけ、中国での現地化の成果を世界の研究開発システムにフィードバックすることで、トヨタは世界の技術を中国に適応させる段階から、中国の知恵で世界を定義する段階へ進みつつある」と述べた。
トヨタ紡織の展示エリアでは、将来の自動運転を想定した先進的な車室空間ソリューションや、快適な体験と環境保護の視点で開発された多くのコア技術製品が重点的に紹介されている。

また、世界初公開となる2030モビリティースマートコックピットでは、多くの製品やシステムが中国企業との協力の成果によるものだった。例えば、聯想集団(レノボ・グループ)と共同開発した姿勢連動ディスプレー、東超科技(EASPEED)および中科創達(サンダーソフト)と技術連携した空中ディスプレーや音声認識システム、量子数碼健康(Quantum Digital Health Limited)と技術提携した健康状態モニタリングシステムなどが出展されていた。
トヨタ紡織(中国)経営企画部の政府渉外・市場広報室の楊麗麗室長は「現在、われわれは主にトヨタなど日本の自動車メーカーにシートや内装製品を提供している。この展示会では、消費者をより理解したスマートコックピットを共に作るための川上・川下パートナーを探す一方で、中国の新エネルギー車企業と協力する機会が得られることも期待している」と述べた。

上海国際モーターショー初出展のソニーは、純正品市場向けの高級カーオーディオ製品とソリューションをフルラインナップで展示したほか、カーオーディオ分野における新技術や新動向を初めて対外公開した。同社の展示ブースでは、「俺だけレベルアップな件」と「ぼっち・ざ・ろっく!」という二大人気アニメ・漫画のキャラクターが描かれたいわゆる「痛車」と記念撮影することができる。

ソニーが上海国際モーターショーで展示している人気アニメ・漫画のキャラクターが描かれたいわゆる「痛車」

自動車メーカーが質の高い車内エンターテイメント体験を生み出せるよう、ソニーは「クリアフェーズ」と「ライブアコースティックス」という二つの専門的な音響技術を開発した。クリアフェーズ技術は主に、車内空間の特殊性に合わせて設計されている。車内空間は複雑で、音が散乱しやすい。この問題を解決するために、クリアフェーズ技術は波形を滑らかにし、位相を補正することで線形の出力を可能にし、音と音楽を搭乗者の対応エリアに正確に集中させ、クリアで透明感のある繊細な音質体験を実現している。

ソニー中国電子システム本部車載製品事業部の翁国熊総監は、中国の乗用車市場は急速にスマート化と高品質化の方向へ進んでいると指摘。ソニーは、専門的なオーディオの全産業チェーンでビジネス能力を持つ業界内でも数少ないブランドであり、また多様なエンターテインメント産業を持つ数少ないブランドでもあるため、中国のユーザー、特に若い世代のスマートモビリティー時代におけるエンターテインメント体験のニーズを深く洞察し、理解していると、自社の強みを語った。

翁氏は「ソニーが今回展示した多様な車載エンターテインメントのソリューションは、エンターテインメントが家庭から車載へ、個人から車載へと進化する重要な一歩であり、より多くの中国の消費者に革新的で没入感のある新たな車載エンターテインメント体験を提供していく」と語り、「中国の自動車企業とのさらなる協力を期待している」と意欲を見せた。【新華社上海】

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