スウェーデン・スカニア、中国で生産拠点を本格稼働 欧州勢初の“100%出資”商用車工場

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スウェーデン商用車大手スカニアは中国市場に進出してから60年後、「中国に車を売る」から「中国で車をつくる」への転換を果たした。

同社が江蘇省如皋(じょこう)市に建設した生産拠点は15日、本格的に開業した。投資額は20億ユーロ(約3560億円)に上り、スカニアにとって1957年以降最大の海外投資となった。2020年に中国が商用車メーカーの外資出資比率規制を撤廃して以来、欧州の商用車ブランドが100%出資の形で生産の現地化を実現したのもこれが初めてとなる。如皋生産拠点の年間生産能力は5万台で、中国市場の需要を満たすとともに、アジア市場やその他の国への輸出にも対応する。

クリスチャン・レビン最高経営責任者(CEO)は「中国が工場を建設する場所として最適であることに疑問の余地はない」とし、欧州とブラジルにある生産拠点2カ所は生産能力が限られていることから、受注を失うことも少なくなかったと率直に打ち明けた。当初、中国で単に組立工場を建設することを考えていたが、中国やアジア市場の潜在力などを考慮し、最終的に生産拠点を設立することに決めたと説明した。

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「中国のトラック市場は大きく、電子商取引(EC)やコールドチェーン、越境などの物流需要が高まっている」。同氏はさらに、より重要なのは中国のデジタル化、電動化技術が急速に進歩している点だとし、中国に工場を建設することで、中国のイノベーションエコシステムを十分に利用することができると述べた。

スカニアの研究開発センターは如皋や上海、北京などの都市に分布し、エンジニアは600人を超え、技術分野はコックピットとシャシー、パワートレーン、エレクトロニクスとソフトウエア、テスト、シミュレーションなど全分野に及ぶ。

レビン氏は「如皋工場はすでに中国国内から多くの注文を受けており、25年末に第1陣の大型トラックを顧客に引き渡す予定だ」と明かした。さらに、「インドネシアからの注文も獲得した。欧州とブラジルから出荷するのに比べ、如皋から遠くない上海からジャカルタまでの海上輸送にかかる日数は大幅に短くなっており、アジアでのシェアを拡大する上でプラスになる」と付け加えた。

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その上で、「これは対中投資の絶好のチャンスだ。われわれはどうしてもハイエンド化、カスタム化、電動化のチャンスをつかまなければならない」とし、対中投資は未来に向けた重要な意思決定で、同社がより持続可能でより効率の高い交通・物流体系を構築するという目標への重要な一歩だと強調した。【新華社南京】

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