サムスンが業務用スマホ「Galaxy XCover Pro」を発表 トランシーバー機能も利用可能

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サムスンは先週末「Galaxy XCover Pro」を米国で発表した。政府や企業などによる業務利用に特化したもので、トランシーバー機能を採用している。

ディスプレイサイズは6.3インチで4050mAhの交換可能バッテリーを搭載し、指紋認証に対応したほか、1.5メートルの高さからの耐衝撃性能を備え、IP69防水・防塵仕様となっている。さらに手袋をした状態でもディスプレイの操作が可能で、寒冷地や屋外での使用にも適している。ユーザーが自身の使用習慣に合わせて指定の機能が素早く操作できるよう、カスタマイズキーも設置した。

同モデルは今年上半期に米国で発売開始される。価格は499ドル(約5万5000円)。サムスンは米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズとの提携を進めており、その一環として同モデルをリリースするが、これに先立ちフィンランドでは数日前にすでにひそかに発表されている。

前述のように、Galaxy XCover Proはトランシーバーとしても使用でき、マイクロソフトのアプリケーション「Microsoft Teams」を通じた対話が可能。同機能はサムスンとマイクロソフトが共同開発したもので、より高い実用性により潜在顧客を拡大させる目的がある。病院やスーパーの職員あるいは空港関係者が新たなユーザーとなる可能性がある。

マイクロソフトは先週、Teamsに追加されるトランシーバー機能が今年上半期に一部の顧客の機器でサポートされると発表していた。TeamsはSlackをベンチマークとしたチームコミュニケーションツールだ。

CNBCの報道によれば、マイクロソフトでOfficeを統括するエマ・ウィリアムズ氏は、Teamsに追加されるトランシーバー機能が職場や同僚とのより安全な対話ツールとなり、その安全性はFacebookのインスタントメッセンジャーWhatsAppやテンセントのWeChat(微信)を超えると述べている。

スマートフォンがトランシーバー機能を備えることにより、トランシーバーや呼び出し機(ポケベル)など複数の通信機器を携帯する必要がなくなり、業務用スマホに一本化できるため、職員にとっての利便性が向上するほか企業の設備コスト引き下げにもつながる。

防水・防塵・耐衝撃性能を備えたスマートフォンは市場の地味な存在であり、同等スペックの電子機器と比べ製造にもかなりのコストを要するが、特定シーンの一部の職務環境においては安定したニーズがある。機能に対する要求も高いため、体積や重量も一般的なスマホを大きく上回っており、一般的に見た目には期待できない。しかしGalaxy XCover Proでは美しい外観と機能の両立を実現しており、217グラムという重量も一般的な旗艦モデルに比べ大差がない。例として6.1インチディスプレイのiPhone 11の重量は194グラムだ。

サムスンにはこれ以前にも同類の「Active」シリーズが存在したが、2017年に「Galaxy S8 Active」をリリース後は新機種が発表されていない。昨年10月にリリースされた「XCover」シリーズがActiveに取って代わり、その初機種となったのが「Galaxy Xcover FieldPro」だ。同シリーズの機種名もサムスンのハイエンド機種であるSシリーズとは完全に切り離されている。
※写真はthe Vergeより
(翻訳・神部明果)

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