米テスラ、「5社目」の電池メーカーに中国「Sunwoda EVB」を選んだ理由
複数の自動車業界関係者によると、リチウムイオン電池大手の欣旺達電子(Sunwoda、サンオーダ)の車載電池子会社「欣旺達動力科技(Sunwoda EVB)」が、米テスラのグローバル電池サプライチェーンに参入した。寧徳時代(CATL)、パナソニック、LGエナジーソリューション、比亜迪(BYD)に続く5社目のサプライヤーとなる。浙江省義烏市の工場で生産された電池セルをテスラの上海ギガファクトリーに供給し、輸出向けモデルに搭載されている。
テスラのコスト管理強化が背景に
今回の提携では、新たな調達モデルが採用された。テスラはSunwoda EVBから電池セルを直接調達し、モジュールや電池パックは自社で製造するという。これまでCATLから完成モジュールを調達していた方式とは異なり、電池コストの管理を強化する狙いだ。
Sunwoda EVBが供給する電池セルは第3世代リン酸鉄リチウムを採用し、充電倍率は3C(3倍速)に対応する。すでに中国では主流の超急速充電技術であり、テスラの充電効率向上ニーズに合致する。
テスラの世界販売台数は2年連続で減少し、2025年は前年比約8.6%減の163万6000台にとどまり、カーボンクレジットを除く自動車の粗利益率は15.4%まで低下しており、コスト削減は急務だ。主力サプライヤーのCATLは値下げ余地が限られ、パナソニックとLGエナジーソリューションのコストが高止まりする中、価格競争力のある中堅メーカーの採用は、電池コスト圧縮に向けた現実的な選択肢といえる。
Sunwoda EVBにとって、テスラからの受注獲得は車載電池事業における重要な転機となる。現時点では親会社の売上高の半分以上が、コンシューマ向け電池事業が占め、車載電池事業はなお赤字段階にある。
すでに中国EVメーカーと「理想汽車(Li Auto)」合弁会社設立や、小米汽車(Xiaomi Auto)への供給実績を持ち、専任チームを顧客拠点に常駐させるなど、迅速な対応体制を構築してきた。テスラのサプライチェーン参入により、グローバル市場での展開が一段と広がる可能性がある。
(36Kr Japan編集部)