テンセント、1〜3月期増収増益 裏でAI投資が2000億円の利益吸収
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中国IT大手の騰訊控股(テンセント) は5月13日、2026年1〜3月期決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の1964億元(約4兆5200億円)、株主に帰属する純利益は同21%増の580億元(約1兆3300億円)となり、全体として堅調な業績を維持した。
中国のインターネット大手各社は現在、全面的な人工知能(AI)開発競争段階に突入している。アリババやバイトダンス、バイドゥなど主要企業が相次いで大規模なAI投資計画を打ち出す中、テンセントも例外ではない。今回特に注目されたのは、テンセントが初めてAI事業による財務への具体的影響を開示した点である。
非国際会計基準(Non-IFRS)ベースの営業利益は前年同期比9%増の756億元(約1兆7400億円)でにとどまった一方で、大規模モデル「混元(Hunyuan) 」、AIアシスタントアプリ「元宝」(Yuanbao) 、「CodeBuddy」「WorkBuddy」「QClaw」などAI新規事業の売上高・コスト・費用を除外した場合、営業利益は17%増の844億元(約1兆9400億円)となる。つまり、AI新規事業は単四半期で営業利益を約88億元(約2000億円)押し下げた計算となる。
テンセントのAI投資の主戦場は、すでに企業向け分野に移行している。4月末に発表した大規模モデル「Hy3 preview」は、「実用性」を重視した設計を特徴としており、推論やコード生成、AIエージェント能力で、中国国内の同規模パラメータモデルの中でも上位水準にあるという。テンセントによると、社内ではすでに131製品が同モデルを導入している。
一方、一般消費者向けAIアシスタント分野では、テンセントは明確に出遅れている。中国の調査会社QuestMobileのデータによると、3月の中国AIアプリ月間アクティブユーザー数ランキング上位3位は、バイトダンスの「豆包(Doubao)」(3億4500万人)、アリババの「千問(Qianwen) 」(1億6600万人)、「DeepSeek」(1億2700万人)の順で、テンセントの「元宝」は5700万人で4位にとどまった。2026年1~3月期の新規ユーザー数では、「豆包」と「千問」がそれぞれ1億人、1億2600万人増やしたのに対し、「元宝」の増加は820万人にとどまり、その差は大きい。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)