中国CATL、ナトリウム電池量産で自動車メーカーを再び縛るか
中国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は4月21日に開催した2026年「スーパーテクノロジーデー」で、第2世代ナトリウムイオン電池「Naxtra」を今年10~12月期に量産開始すると発表した。最高技術責任者(CTO)の高煥氏は、水分管理やハードカーボン材料、アルミ箔接着、次世代負極技術の量産化など、ナトリウムイオン電池量産における主要課題を克服したと明らかにした。
ナトリウムの地殻中埋蔵量はリチウムの400倍以上あり、原料となる炭酸ナトリウムは安価で、安定供給が期待できる。ナトリウムイオン電池セルのコスト低下が進む中、リチウムイオン電池と比べ30~40%のコスト優位性を持つという。
CATLの第2世代ナトリウムイオン電池のエネルギー密度は175 Wh/kgに達し、リン酸鉄リチウム(LFP)電池に迫る水準となった。EV航続距離は400〜600キロメートルで、マイナス40度でも容量保持率は90%を超える。マイナス50度でも安定放電が可能で、極寒や高温環境での性能はリチウム電池を上回る。
リチウム価格の上昇はナトリウムイオン電池の産業化を推進する重要な外部要因となっており、自動車メーカーは代替技術の模索を迫られている。一方で、ナトリウムイオン電池のエネルギー密度は依然として現段階での主な課題だ。業界関係者は、ナトリウムイオン電池はまず10万元(約230万円)以下の軽・コンパクトEVなどに採用され、リチウム電池と並行して発展していくとみている。
高氏はさらに強気だ。今後ナトリウムイオン電池のサプライチェーン成熟と急速な発展に伴い、ナトリウムイオン電池搭載EVの航続距離は現在の400〜500キロから600キロへ伸び、市場の半数以上の車種の航続距離ニーズを満たせるようになるとの見通しを示している。
注目すべきは、ナトリウム電池を大量生産できるのが、現時点でほぼCATLのみだという点だ。自動車メーカー各社はこれまで、特定企業への依存を減らすために中堅電池メーカーを支援し、仕入れ先の分散を進めてきた。しかし、圧倒的なコスト優位性を持つナトリウムイオン電池の量産技術によって自動車メーカーは再びCATLに頼らざるを得なくなる可能性が高い。
「CATL一強」の構図が再び強まることで、電池の主導権を巡るメーカーとCATLの新たなパワーゲームが始まろうとしている。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)