中国メモリー巨頭・長鑫科技、上海IPOに向け目論見書を更新 26年1~3月純利益約7600億円

半導体メモリーで中国最大手の「長鑫存儲技術(CXMT)」の親会社である「長鑫科技集団(CXMT Corporation)」がこのほど、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(Star Market)」での新規株式公開(IPO)に向けた目論見書を更新し、業界に大きな衝撃が走っている。

同社の2026年1~3月期の売上高は前年同期比719%増の508億元(約1兆1700億円)。純利益は330億元(約7600億円)に達し、前年同期の赤字から黒字転換を果たした。同社は2026年1~6月期の業績見通しについて、売上高が1100億~1200億元(約2兆5000億~2兆8000億円)、親会社株主に帰属する純利益が500億~570億元(約1兆2000億~1兆3000億円)に達すると見込んでいる。

中国「国産DRAM」の切り札、長鑫科技が大型IPO準備 黒字転換も視野に

今回のIPOでは295億元(約6800億円)の資金調達を計画しており、IPO前の最新の企業評価額は約1500億元(約3兆5000億円)となっている。業績の急拡大を受けて市場の期待感は急速に高まっており、一部の投資家からはすでに「将来的な時価総額は2兆元(約46兆円)に達する見込みがある」との声も上がっている。

長鑫科技は2016年に設立され、10年の歳月をかけて中国産DRAMを世界市場シェア0%から約8%へと押し上げ、世界第4位に躍進させた。同社の2023年の粗利益率はマイナス2.19%だったが、2024年には5%に回復、2025年通期では41%へと急上昇し、2026年1~3月期の純利益率はすでに65%に迫っている。

この利益曲線の急激な転換は、世界のDRAM価格サイクルと極めて一致している。2025年7~12月期以降、AI(人工知能)サーバによるメモリへの爆発的な需要に加え、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーが生産能力をHBM(高帯域幅メモリ)やサーバ向けDDR5に集中させたことで、消費者向けDRAMの供給が大幅に縮小した。

2026年1~3月期末時点で、DRAM価格は半年間で累計100%以上上昇しており、長鑫科技の売上の7割はLPDDRシリーズ(主にスマートフォンメーカーへ供給)によるもので、今回の全品目にわたる価格上昇の恩恵を直接享受する形となった。同時に、同社の生産能力は継続的に拡大しており、月間生産能力は7万枚から15万枚へと拡大し、世界市場シェアは2025年4~6月期の3.97%から10~12月期には7.67%へと増加した。

高騰、そして急落——メモリ価格に翻弄された中国スマホ市場【再掲】

一方で、中国の調査会社・群智諮詢(Sigmaintell)は、2026年7~12月期のDRAM価格の上昇幅について、1~3月期の70%以上から5%~20%へと縮小し、年末にかけて徐々に横ばいになるとの見方を示している。

1~3月世界スマホ市場、中国メーカー明暗分かれる。メモリ不足で薄利多売モデルは限界

*1元=約23円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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