世界トップクラスの「ロボット頭脳」ーー中国Spirit AI、3カ月で累計1200億円調達
「ロボット頭脳」を開発する中国スタートアップ・千尋智能(Spirit AI)はこのほど、シリーズAの追加ラウンドで15億元(約360億円)を調達したと発表した。出資者には有力なドル建てファンドや大手産業投資家、国有系ファンドが名を連ね、既存株主も追加出資した。同社は過去3カ月間で4回の資金調達を実施し、累計調達額は50億元(約1200億円)近くに達した。
資金は、主に次世代の身体性AI(エンボディドAI)基盤モデルの研究開発、グローバル規模での実世界データ基盤の構築、多業種への商用展開の加速などにに充てられる。
2024年1月設立の千尋智能は、ロボット向けの「汎用的なAI頭脳」の構築に注力している。業界の一般的なシミュレーションデータに依存するのではなく、実世界データを中核的なアプローチとして選択し、独自のUMI(汎用操作インターフェース)デバイスを通じて多様なロボット操作データを継続的に収集している。26年までに、100万時間を超えるデータを蓄積する計画だという。
アルゴリズム面では、VLA(視覚・言語・動作)モデルと世界モデルを融合した技術アーキテクチャを採用しており、これによりロボットは環境の変化をよりよく理解し、次の動作を予測できるようになる。同社は、事前学習完了後、約1時間分のデータによるファインチューニング(微調整)だけで、特定タスクの成功率を95%まで引き上げることを目標としている。
今回の資金調達に合わせて、自社開発のエンボディド基盤モデル「Spirit v1.6」が、国際的なベンチマーク「RoboArena」で世界1位の総合スコアを獲得したことも発表した。RoboArenaは、エンボディドAI界で「オリンピック」とも称される評価基準で、同ランキングで首位に立つ中国製モデルは初めてだという。
同社によると、Spirit v1.6は、蓋の開閉、精密な把持、多段階の連続タスクなどの項目で米エヌビディアの世界基盤モデル「Cosmos」や、米フィジカル・インテリジェンス(PI)のロボット基盤モデル「π(Pi)」シリーズを上回った。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)