全固体電池の先へ。中国CATL、次世代の本命に「リチウム空気電池」を初言及

中国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL) が初めてリチウム空気電池の名を挙げた。次世代電池技術の主導権争いが早くも熱を帯びる可能性が出てきた。

同社のチーフサイエンティスト・呉凱氏が、このほど開催された「2026装備強国フォーラム」で明らかにした。呉氏によると、CATLが開発を進めるナトリウムイオン電池が2026年年内にも大規模量産を実現する見込みで、固体電池は2027年に小規模量産の段階に入る見通しだという。これと同時に、同氏はCATLが長期的に注力していく技術路線として「リチウム空気電池」を初めて掲げ、次世代電池技術競争の焦点になる可能性があると述べた。

ナトリウムイオン電池や固体電池に比べ、リチウム空気電池はなお先端的な技術路線に位置づけられる。リチウム金属を負極とし、空気中の酸素を反応物として利用するため、従来の電池に不可欠だったニッケルやコバルトなどの正極材料を大量に必要とせず、極めて高い理論エネルギー密度を持つ。理論上の限界値はガソリンのエネルギー密度に匹敵するとされ、一部の実験データによると、現在主流のリチウムイオン電池の4倍以上となる1200ワット時毎キログラム(Wh / kg)を超えている。将来的に商用化が実現すれば、電気自動車(EV)の航続距離が1000キロメートル(km)以上に伸びる可能性があるほか、エネルギー貯蔵システムのエネルギー効率向上にもつながるとみられる。

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ただし、リチウム空気電池産業化への道のりはまだ遠い。空気中の水分や二酸化炭素が電池反応を妨げるほか、サイクル寿命、界面安定性、触媒材料、製造プロセスなどの重要課題はまだ完全には解決されていない。かつて米IBMは2009年にリチウム空気電池の商用化を目指す「Battery 500」計画を立ち上げたが、2014年に研究開発の優先度を引き下げ、現在も実用化に至っていない。一方、2025年には米アルゴンヌ国立研究所などが、室温環境で1000回の充放電サイクルに対応し、1200Wh / kgのエネルギー密度を持つサンプルを開発しており、実用化に向けた重要な成果とみなされている。

全固体電池の本格的な量産・普及の足元がまだ固まりきらない中で、CATLがあえて今回公に言及したことは、世界市場へ向けた強力なけん制と先行投資の意志の表れと言えそうだ。

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(36Kr Japan編集部)

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