設立3年で評価額4600億円 中国ヒューマノイド「AI² Robotics」、香港IPO視野に
中国のヒューマノイド(人型ロボット)開発企業「智平方(AI² Robotics)」が、香港証券取引所への新規株式公開(IPO)を検討していることが分かった。複数の関係者の話としてブルームバーグや中国メディアなどが報じた。すでに投資銀行に上場準備に関するアドバイザリー業務を委託しており、早ければ2027年の上場を目指すという。現時点で同社からの公式コメントは出されていない。
2023年に深圳市で設立された智平方は、エンボディドAI(身体性を持つAI)をベースにした次世代汎用ロボットの開発を手がける。創業当初から、視覚・言語・動作を統合的に処理するVLA(Vision-Language-Action)モデルを技術開発の中核に据えてきた。独自開発の基盤モデル「AlphaBrain」の改良を重ね、ロボットが周囲の環境を認識し、指示を理解して自律的に動作するための「ロボットの頭脳」の高度化を進めている。
資金調達のペースも速い。2025年には半年間で7回の資金調達を実施。2026年2月のシリーズBでは10億元(約230億円)超を調達し、評価額は100億元を突破した。その約4カ月後には新たに約50億元(約1200億円)を調達し、評価額は200億元(約4600億円)を超えたと報じられている。わずか数カ月で評価額が倍増した計算だ。
出資者には政府系ファンドや地方国有資本のほか、保険会社、証券会社、産業資本など幅広い投資家が名を連ねる。エンボディドAIを次世代産業として育成する中国の政策を背景に、ロボット企業への大型投資が相次いでいる。
同社によると、車輪駆動の双腕型ロボット「AlphaBot(愛宝)」シリーズは、自動車、半導体、医薬品などの製造現場への導入を拡大している。中国各地で実証・運用を進めるとともに、生産能力の増強にも取り組んでいる。
足元では、中国エンボディドAI企業の資本市場進出が相次いでいる。智元機器人(AgiBot)が7月に香港上場に向けた手続き開始を表明したほか、宇樹科技(Unitree Robotics)もIPOを進めており、ロボット企業の競争は技術開発や量産だけでなく、資本市場を舞台とする新たなステージに入りつつある。
一方、4800億円を超える智平方の評価額には、エンボディドAI市場の将来的な成長への期待が大きく織り込まれている。今後はロボットの量産能力やコスト削減に加え、実際の導入現場で継続的に価値を生み出し、安定した収益モデルを構築できるかが焦点となる。
*1元=約24円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)