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アリババグループの庫偉副総裁は4月17日、「アリクラウド(阿里雲)IoT」と「天猫精霊(Tmall Genie)」のリソース整合を正式に発表した。今後は共同でAIoT業界の開拓に当たり、情報家電、デジタル製品、一般家電、種々の生活用品への適用を模索する。
アリババは巨額を投じて「精霊パートナシッププラン」を立ち上げ、「精霊妙物」と銘打つブランドを構築し、1年以内に無数のスマート新製品の共同設計や販売ルート確立の実現を目論んでいる。
アリクラウドIoTと天猫精霊のリソース整合に先がけ、今年1月には「人工智能実験室(Alibaba A.I.Labs)」に所属する天猫精霊を独立事業部とし、アリクラウドIoTの庫偉CEOをその責任者とした。業務整合のために経営陣の統一も行った。
中国では2017年からスマートスピーカーが販売されているが、補助金支出など生き残りをかけた競争の結果、市場の構図が見え始めた。調査会社IDCによれば、2019年の天猫精霊の出荷数は1561万台と前年同期比87.9%増だった。これは中国市場のトップで、バイドゥ(百度)とシャオミ(小米)がその後を追う形になっている。アリババのモノのインターネット(IoT)戦略も次のAIoTの段階に移っている。
AIoTに力を入れるアリババを見て、業界大手のシャオミやバイドゥも黙っていられない。
シャオミのトップ雷軍氏は2020年のはじめに、AIoTへの投資額を5年間で500億元(約7600億円)に増やすと発表し、「5G+AI+IoT」というウルトラ・インターネット戦略を立ち上げた。
世界のスマートフォン販売の伸び悩みにより、シャオミの携帯電話業務も苦しくなっているため、IoTにより大きな期待がかかっている。2019年、シャオミの携帯電話業務の売上比率は5.8ポイント減であったのに対し、IoTは5.1ポイントの伸びを示した。
一方、バイドゥは上半期に巨額の販促費用を投じてスマートスピーカー「小度(Xiaodu)」を市場第二位の位置に押し上げ、コンテンツの充実や有料会員サービスに力を入れている。スマートスピーカーはバイドゥが巻き返しを図るための数少ない重要手段だ。
スマートスピーカーの競争において重要となるのは、どれほどの潜在顧客にアプローチできるかだが、この競争では天猫のプラットフォームを活用できる天猫精霊が優勢だ。
アリババはシャオミやバイドゥよりも商品販売、特に新製品の販売に長けている。例えば、2019年に天猫が発表した新製品の販売額は1億元(約15億円)を突破しており、天猫精霊が他社と共同開発した豆乳メーカーKsoloは11月11日の特売日だけで3万台売れた。
アリババは全力でリソースをAIoTに結集している。シャオミとバイドゥもうかうかしていられない。
(翻訳・近藤)
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