ソーシャルEC大手「拼多多」、住宅地向け共同購入サービスに参入

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今年は住宅地(地域コミュニティー)向け共同購入サービスが熱い。昨年、アリババ、テンセントなどIT大手が相次ぎ参入し、それ以前にはスタートアップが巨額の出資を受けていた。

そして、ソーシャルEC大手「拼多多(Pinduoduo)」も正式に参入した。拼多多は地方都市や農村市場での集客について理解しているのが強みだが、物流の経験がなく、住宅地向け共同購入サービスのバックアップ体制の強化が必要だ。

既存ユーザーの「消費」を促す

先月、拼多多は2020年第2四半期決算報告書を発表した。報告書よると、ユーザー数は依然順調に増加し、2020年6月30日時点の年間アクティブユーザー数は41%増の6億8320万人で、1四半期の伸び率としては上場以来最大だった。ところが、GMV(流通取引総額)の伸び率は過去最低となった。

拼多多が直面しているのは、6億人もの消費者を抱えながらも、消費してもらえないという問題だ。

既存ユーザーのGMVを上げる一つの方法が、住宅地向け共同購入サービスだ。

ただ、コロナ感染拡大の期間中、地域の実店舗による生鮮食料品の宅配が急速に伸び、農産物がGMVの10%以上を占める拼多多は他のECよりも大きな影響を受けている。

拼多多にとって農産物への注力は既定路線で、戦略副総裁の九鼎氏は今後数年間サプライチェーンも含めた農産品への投資を増やすと話している。

住宅地向け共同購入サービス「多多買菜」の強みと弱み

拼多多は集客では一定の優位性がある。最も直接的な方法として、拼多多のアプリを開くと先ず住宅地向け共同購入サービス「多多買菜(Duoduomaicai)」のポップアップウィンドウが現れ、閉じた後も常に多多買菜のアイコンがトップページの中央に来るように設定されている。

ここからも、拼多多が多多買菜にいかに力を入れているかが分かる。現在多多買菜がサービスを行っているのは武漢市、南昌市の2都市だけだが、利用者獲得のために10億元(約150億円)の補助金を投じたという。

拼多多の6億人のユーザーのうち、住宅地向け共同購入サービスの利用に向いている人は非常に多い。同サービスの利用者は主に地方都市の専業主婦で、価格に敏感で、家庭のために注文することが多い。

しかし、拼多多にとってオフライン事業は新規事業だ。住宅地向け共同購入サービスを成功させるには、後方の全サプライチェーンが勝負の鍵となるが、まさにここが拼多多の遅れを取っている部分だ。

拼多多は倉庫保管、物流、サプライヤーの誘致においてもまだ初級レベルだ。消費者に届く生鮮食品は包装せず班全員分がまとめて箱に入っているため、班長がビニール袋で各班員に分けなければならない。

拼多多はECで得意とする農産物の直販を多多買菜に取り入れなかった。当然、ECとオフライン事業は違うからだ。しかも大型量販店「大潤發(RT-MART)」など参入前から生鮮食品の整ったサプライチェーンを持つライバルもいる。

このように見ると、拼多多は住宅地向け共同購入サービスの道を進まなければならないが、決して平坦な道ではない。(翻訳・二胡)


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