製造業とネット技術を融合、「語禎物聯」が中国の製造業を効率化

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製造業とネット技術を融合、「語禎物聯」が中国の製造業を効率化

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インダストリアル・インターネットが製造業界でホットな話題になっている。人件費の高騰、生産効率の低下、不安定な受注など中国の製造業が抱える課題を、IoT、ビッグデータ、AIなどを活用して解決できるのではないか、というわけだ。

インダストリアル・インターネットのベンチャー企業「語禎物聯(Yuzhen Wulian)」は機械加工分野に特化し、設備メーカーや製品加工業向けにデータ収集からSaaSアプリケーションまで全面的にサービスを提供している。最近、エンジェルラウンドで「盈動資本(InCapital)」から1000万元(約1億6000万円)近くの資金を調達した。

語禎物聯のサービスは、データの収集と処理を行うハードウェア「語禎通信ボックス」と、「設備管理システム」と「生産管理システム」からなるSaaSアプリケーション、の2本柱だ。

エッジコンピューティングを行う語禎通信ボックスは、CNC装置の通信プロトコルに適合しており、平均15-30分ごとに一台の生産設備に接続する。そして、データの収集、演算、洗い出し、暗号化を行った後、クラウドプラットフォームにアップロードする。

設備データの収集

2つのSaaSアプリケーションの概要は以下のとおり。

・設備メーカー向けの設備管理システム
メーカーが出荷した設備に対して、モニタリング、リモート診断、予防保全を行うことで、アフターサービスのコスト削減と効率性向上、在庫回転率の向上につなげる。このシステムにより、トラブルが生じた後に対応するのではなく、事前に対策できるようになる。

・製品加工業向けの生産管理システム
生産管理のコアプロセスと現場全体をカバーして、リアルタイムで無駄や製品ロスを表示する、いわば軽量級クラウドMES。このシステムにより、工場の管理者が生産プロセスと実績を常に把握し、データに基づいて工程を最適化できるようになる。

語禎物聯のターゲットは、コスト削減と効率アップを考え、資金力があり、年産200台以上を製造する設備メーカーと、200-300台の設備を有する製品加工業である。

語禎物聯の主な収入源は語禎通信ボックスの販売とSaaSのサービス料。顧客のニーズに応じて小規模な改修やカスタマイズも行う。客単価は十数万元から20万元が中心。

2018年4月にサービスを開始して以来、語禎物聯は約40社にサービスを提供しており、今年末には売上高が1000万元近くになる見込み。

語禎通信ボックス

創業者でCEOの司世南氏が考える同社の強みは2つ。専門知識を持ち業界に精通しているスタッフがいることと、製品の規格化を進めて工場が導入する際のハードルを下げていること、だ。

司世南氏は、CNCを製造・販売する北京ファナックで経営幹部を務め、ハイエンド設備の分野で13年の経験を持つ。共同創業者はマイクロソフト、アリババクラウド(阿里雲)など国内外の有名企業の出身者。
(翻訳・畠中裕子)

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