BYDの高級車ブランド「仰望」、2000万円超のオフロードEVを発売 緊急時の水上走行も可能

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

BYDの高級車ブランド「仰望」、2000万円超のオフロードEVを発売 緊急時の水上走行も可能

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国EV大手・BYD(比亜迪)傘下の高級車ブランド「仰望汽車(Yangwang)」は9月20日、オフロードSUV「U8プレミアム・エディション」の販売を開始した。販売価格は109万8000元(約2250万円)。

仰望U8は100万元(約2000万円)クラスの本格オフロードEVで、4モーター独立駆動の「e4プラットフォーム(中国語名:易四方)」や、インテリジェント油圧車両制御システム「雲輦-P(DiSus-P)」、先進運転支援システム「天神之眼」、ブレードバッテリーなど、いくつもの先端技術を取り入れている。

なかでもe4プラットフォームは4輪を駆動するそれぞれのモーターが独立してトルクを制御できるため、高い車両コントロール性能を実現した。またインテリジェント油圧車両制御システムは横・縦・垂直方向の動きに対する車体の統合制御を行い、150mmの車高調整が可能なほか、減衰力の自動調整機能も備えている。

こうした技術を駆使することで真横への平行移動や、その場で360度回転する「タンクターン」、パンク時の安定性維持などが可能になった。さらに15種類のドライブモードと全地形自動適応システムを組み合わせることで、どんな地形にも対応できるようになり、アクティブセーフティ(予防安全)の可能性を大きく広げた。

またU8プレミアム・エディションには最大30分水に浮くことができる緊急浮揚機能が備わっており、水上でバランスを保ったまま前進したり方向を変えたりもできる。

走行性能に関しては最高出力が880kWで、停止状態から時速100kmまでの加速は3.6秒。ブレードバッテリーと電池セルをシャシーに直接組み込むCTC(Cell to Chassis)技術を採用し、航続距離は最大1000kmに達する。110kWの急速充電にも対応しており、残量30%のバッテリーをわずか18分で80%まで充電できる。

U8プレミアム・エディションのインテリジェントドライブ機能を支えているのは最大508TOPSの高性能SoC「NVDIA DRIVE Orin」だ。一方、スマートコックピットはBYDとクアルコムが共同で手がけた4nmプロセスの5Gチップを採用してあらゆるシーンの音声認識に対応し、4つのサウンドゾーンで独立した対話を行えるほか、異なるゾーンの音声指示も連動させられる。

このほか高級ナッパレザーを使った本革シートやスマートフレグランスシステム、コンプレッサー式小型冷蔵庫も備えている。静粛性も格段に向上しており、時速60kmで走行中の車内騒音は55デシベル以下に抑えられている。デンマークDynaudio社のハイエンドスピーカー「EVIDENCE-PLATINUM」を搭載し、22個のスピーカーで臨場感あふれる立体音響「Dolby Atmos」を実現した。

U8プレミアム・エディションの展示車は深圳市や上海市、成都市、杭州市、寧波市など13都市の店舗に置かれる予定で、10月下旬から順次納車が始まるという。仰望汽車は直営方式で運営しており、現在は70以上の直営店が建設中で、年内には全国40都市余りに90店舗以上を開設する見込みだ。

(翻訳・畠中裕子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録