世界のECアプリダウンロード、中国勢が上位を独占

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2023年は中国の越境ECが飛躍的な発展を遂げた1年だった。

米調査会社data.iが2024年1月17日に公表した「2024年版モバイル市場レポート」によると、中国越境EC四天王と称される、EC大手「拼多多(Pinduoduo)」の格安EC「Temu」、アパレルEC「SHEIN」、アリババグループの「アリエクスプレス(AliExpress、全球速売通)」、動画共有プラットフォームTikTokのEC機能「TikTok Shop」の4つが23年に世界中でダウンロード数が激増し、世界のショッピングアプリのダウンロード数増加率の1位から4位を占めた。

(2023年世界ショッピングアプリダウンロードランキング:data.iまとめ)

中国ECが海外進出、見えてきた勢力図

事業展開の規模は、アリババとSHEINがいずれも200カ国以上をカバーし、TikTok Shopはわずか1年半ほどの間に150カ国に、Temuも1年半ほどで50カ国に広がった。

2023年1-9月期の売上高はアリババグループのグローバルデジタルコマース事業が91億ドル(約1兆3000億円)、SHEINは前年より40%以上増加し240億ドル(約3兆5000億円)となった。TikTok ShopとTemuの売上高は公表されていないが、報道によると23年のGMV(流通取引総額)はそれぞれ200億ドル(約3兆円)と140億ドル(約2兆円)に達する見込みだ。

(公開されているデータをもとに偲叡が作図)

Temu、SHEIN、TikTok Shopはいずれもひとつのアプリを運営しているが、アリババは各国の状況に応じて多彩な布陣を整え、BtoCのアリエクスプレスのほか、BtoB向けクロスボーダーECサイト「アリババドットコム(Alibaba.com)」や、シンガポールに拠点を置く東南アジア最大級の「Lazada」、トルコ向けの「Tredyol」、南アジアの「Daraz」など各地域向けのECを擁する。

(2023年国際ビジネスの状況:アリババグループ2023年年次報告書より)

2024年もそれぞれのプラットフォームがアグレッシブな目標を打ち出している。TemuではGMV目標を300億ドル(約4兆4000億円)と、23年の2倍以上に設定している。TikTok Shopも同様に23年の2倍を超える500億ドル(約7兆4000億円)を目標とし、SHEINは25年の売上高目標を585億ドル(約8兆6000億円)に設定した。

中国の越境ECの急速な成長を支えるのは、フルマネージドサービスによる運営がその一つのポイントだ。出品事業者は商品をプラットフォームに提供するだけで、店舗の運営、物流、アフターサービスなど手のかかることはプラットフォームが全て請け負う。

フルマネージドサービスでは出品事業者とプラットフォーム双方の強みを生かすことができる。出品事業者は商品の供給に専念でき、プラットフォーム側は商品の動きをしっかり把握することで、効率を高めて消費者体験を向上させる。また、プラットフォーム側が価格決定権を持ち、サプライチェーン側はコストを最小限にまで抑える。

Temuとアリエクスプレスがフルマネージドサービスを打ち出すと、TikTok ShopやSHEINなどのプラットフォームがそれに追随し、現在はいずれもフルマネージドサービスとプラットフォームを併用している。

作者:偲叡洞察(WeChat公式ID:siruidongcha)

*2024年1月25日のレート(1ドル=約148円)で計算しています。

(編集・翻訳 36Kr Japan編集部)

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