TikTokからショートドラマへ誘導 バイトダンス「PineDrama」、9カ月で1億DL突破
TikTok運営会社の中国テック大手バイトダンス(字節跳動)が手がける、海外向けショートドラマアプリ「PineDrama」は、サービス開始から約9カ月が経過した2026年9月時点で、世界累計ダウンロード数が1億回を突破し、1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)は約700万人に達したという。経済メディアの界面新聞(Jiemian)が米調査会社センサータワーのデータを引用して報じた。
PineDramaは25年末にサービスを開始し、その後、米国、ブラジル、インドネシアなどへと順次展開した。TikTokアカウントでのログインにも対応している。同アプリの成長パターンは、中国国内で人気を集めるバイトダンスのショートドラマアプリ「紅果短劇(Hongguo)」と類似している。PineDramaはTikTok上のショートドラマコンテンツでユーザーを引きつけ、別のアプリへ誘導して視聴を継続させる仕組みだ。中国の日刊紙・新快報(New Express)はセンサータワーのデータを引用し、26年7月時点でブラジルとインドネシアがPineDramaの累計ダウンロード数の約82%を占めたと報じた。一方、中国の調査会社QuestMobileのデータによると、紅果短劇のDAUは26年7月に1億6800万人に達した。

コンテンツ面では、PineDramaは翻訳版のショートドラマだけでなく、海外の視聴者向けにローカライズ(現地化)された作品も提供する。例えば、香港の制作チームが手がけた「10億ナイラ(約1億2000万円)の花嫁」は、ナイジェリアを舞台に、現地の文化的背景を踏まえ、富豪一族や契約結婚を題材にしている。
ビジネスモデルでは、PineDramaは無料視聴でユーザーを引きつけ、段階的に広告による収益化を進めている。この戦略は、「ReelShort」や「DramaBox」といったショートドラマの主要プラットフォームが採用している有料アンロックやサブスクリプションを中心とするモデルとは対照的だ。無料モデルはユーザー規模の拡大に有効だが、アクセス数をコンテンツや運営にかかるコストを賄えるだけの収益に転換できるかが今後の課題となる。
バイトダンスが海外でショートドラマ事業を展開するのは、今回が初めてではない。同社はこれまでに、東南アジア向けに「Melolo」を、日本向けに「PikoShow」を提供している。
*1ナイラ=約0.12円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)