自宅で「セルフお灸」 スマートヘルスケア製品開発の「ZDEER」が数億円を調達

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自宅で「セルフお灸」 スマートヘルスケア製品開発の「ZDEER」が数億円を調達

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スマート養生(養生とは伝統医学に基づき、健康を増進し病気の自然治癒をうながすこと)製品を開発する「左点(ZDEER)」が、シリーズAで数千万元(約数億円)の資金調達を行ったことがわかった。リードインベスターは「天図投資(Tiantu Capital)」。調達した資金は製品開発、製品ラインナップの拡充、マーケティングなどに使われるという。

同社の目玉商品は、スマート艾灸(もぐさを使った灸)ボックスである。初代製品は2018年9月に発売されており、第2世代の製品は2019年にスマホ・IoT家電大手「シャオミ(小米、Xiaomi)」のプラットフォームでクラウドファンディングを行ったところ、1043万元(約1億6000万円)の出資を獲得することに成功。今年の618セール(6月18日前後に行われるECセールイベント)では、アリババ傘下の天猫(Tmall)、京東(JD.com)、シャオミの「小米有品」、ネットイースの「網易厳選」などのECプラットフォームで、ともに艾灸製品部門で売り上げ1位となった。同社創業後の5年間の売上高の年平均成長率は約100%である。

(画像は左点より)

セルフメディケーション市場の変化

新型コロナ禍によって在宅時間が増えたため、セルフメディケーションのニーズが高まっている。例えば今年第1四半期に小米有品で販売されたヘルスケア製品のうち、約29%が新規ブランドであり、ヘルスケアは新規ブランド比率のもっとも高い分野であった。

現在の中国において、オンラインのセルフメディケーションは新しい局面を迎えていると言える。1980〜90年代生まれの若者が家庭を持つようになったため、この世代の健康への関心が高まっており、彼らはインターネット経由で様々な情報を入手できるため、より理性的に購入の判断をするようになっている。

しかし、左点の創業者兼総経理の朱江涛氏によると、中国のセルフメディケーション市場は無秩序状態であり、有力なブランドがなく、製品の品質に課題のあるメーカーも多い。売上高を伸ばすには広告に頼るしかなく、その広告にも虚偽の内容が散見されるという。

スマート養生製品からセルフメディケーション市場へ

既存の製品では増大し続けるセルフメディケーションのニーズを満たすことができないため、新規参入者にとっては好機となっている。左点はニッチ市場戦略を採用し、スマート艾灸ボックスをメインとするスマート養生製品でこの分野のトップになり、その後ほかのセルフメディケーション製品に事業を拡大していく構想だ。

左点のスマート艾灸ボックスはシンプルな外観でありながら、この業界でこれまで使われなかった技術、原材料、工法を採用し、無煙、火傷防止、スマホで操作可能などの機能を実現。自宅だけでなく、外出先でも灸ができるようにしている。

自社製品が模倣されないように、左点は2017年から社内に知的財産権担当のチームを設け、特許や実用新案などを400以上取得した。同社の年間開発費は売上高の20%を占める。

(画像は左点より)

現時点での購入者は1980〜90年代生まれの女性がメインであり、左点は彼女たち向けに体の各部位に対応した製品を販売している。スマート艾灸ボックスのほか、スマート温湿布ベルト、スマート燻蒸機などがあり、価格は200元〜800元(約3000円〜1万2000円)となっている。

市場全体が成長期を迎えているため、新規ブランドとしてより効率よくマーケティングを行い、消費者に覚えてもらう必要がある。左点はインターネットでのマーケティングを中心とし、中国版ツイッターと言われるウェイボー、SNSアプリの「WeChat」、ソーシャルECの「小紅書(RED)」、ショート動画プラットフォームの「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」に広告を出し、セルフメディアを運営するインフルエンサーとのコラボも行っている。さらに一般消費者から約1000人を選出し、新製品開発、既存製品の改善の上でアドバイスを求めている。

(翻訳:小六)

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