アリババ支援の老舗百貨店「銀泰」、デジタル戦略で息を吹き返した  重役が語るライブコマースの力

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9月23日中国杭州で、36Kr主催の「WISE2020×Eコマース産業の新エコシステムサミット」が開催された。そのなかで、中国の大手老舗百貨店「銀泰百貨(Intime Retail)」のビジネス担当総裁補佐・蒋昕捷氏が登壇し、同社のライブコマースに関する試みについての講演を行った。

銀泰百貨は1998年創業。2013年のアリババ主導する最大規模のECセールイベント「双11(ダブルイレブン)」のときに、アリババと戦略的提携を行った。アリババはその後、2014年に銀泰に出資し、2017年に銀泰を子会社化し、株式を非公開とした。

以下は蒋氏の講演の抜粋である。

「淘宝(タオバオ、Taobao)」はこのほど、同プラットフォームでライブコマースを行っているブランドのランキングを公表した。トップは調理家電メーカーの「九陽(Joyoung)」、第2位はインテリア・家具販売の「紅星美凱龍(Red Star Macalline Group)」で、銀泰百貨は第7位となった。このランキングに名を連ねたのは、すべてオフライン事業を中心としていたブランドや企業であり、新型コロナ禍でやむを得ずライブコマースを始めたというパターンが多い。それが、ちょうどライブコマースの成長期と重なったため、成功を収めたと言える。現在中国人の18%がライブ配信を視聴しており、ライブコマースの売上高は毎月183%も伸びているという。

実は、銀泰は昨年すでにライブコマースを試みていた。昨年の「6.18セール(6月18日前後に行われるECのセールイベント)」に初めてライブコマースを行い、そのポテンシャルを知った。そのため、昨年9月のアリババのテクノロジーイベント「雲栖大会」において、銀泰はニューリテール5年戦略を打ち出し、5年間でオンラインの銀泰百貨店を完成させるとした。その目玉戦略は、「年収100万元(約1500万円)の販売員を100人作る」というプロジェクトだ。

新型コロナ禍は、この戦略を後押しした。感染が深刻だった頃、銀泰のすべての店舗が営業を停止し、約5万人の販売員が自宅待機を命じられた。その時に、湖北省の販売員が自宅でライブコマースをはじめることになった。配信は1日平均1.5万人に視聴された。これは店舗での半年間の接客人数に相当する。そして1日の売上高は、2週間分に相当した。ライブコマースの最大の強みは、時間と空間の壁をなくすことができる点にある。たとえば、銀泰百貨は上海に出店していないにもかかわらず、ライブコマースの購入額を見ると、上海での注文が第2位となっている。

今後のライブコマースについては、2つの方向に進展すると予想している。まず、配信するコンテンツの多様化だ。商品販売だけではなく、どのようなことでも配信することができる。次に、誰もが配信者になれることだ。今は販売員が配信しているが、銀泰にはほかの部署のスタッフで実は配信に向いていると見いだされ、配信者に転身した人もいる。ライブコマースの良さは、消費者とリアルタイムで双方向の意思疎通が可能なことである。従来のように一方的に商品情報を発信しても、消費者がどう反応するのかわからない。しかし、ライブコマースなら、この宣伝に対し誰がどのような反応を示すのかが、一目瞭然なのだ。

これらを迅速に実現できたのは、これまでの3年間、銀泰がデジタル化に注力してきたためだ。アリババ・グループの一員として、銀泰が利用できるリソースは多く、それらを使ってデジタル化をしたのが、現在に生きている。

ライブコマースも、やはり最終的には人間がもっとも大事になってくる。販売員、あるいは配信者が重要なのだ。ネット配車の質を決めるのが、実際に運転する人間であるのと同じだ。一方、自動運転の開発が進展しているように、AIの実力も無視できない。銀泰には「銀小泰」というマスコットがあり、この度「中国電信(チャイナテレコム)」とともに、このマスコットを使ったAIをローンチし、配信できるようにした。今後、あるいは人間の配信者ではなく、AIが配信する時代がやってくるかもしれない。

(翻訳:小六)

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