DJI、災害救助にドローン活用を拡大 中国でレスキュー連盟を設立

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中国ドローンメーカー「DJI(大疆創新科技)」が9月23日、北京で「DJIレスキュー連盟(大疆緊急救援連盟)」の設立式を開催し、「DJIレスキュー作業ガイドライン(大疆緊急救援連盟作業規範)」を正式に発表した。

DJIの災害救助分野への模索は2015年のネパール地震から始まった。2017年には業界応用部門を設立し、本格的にドローン技術をパブリックセーフティや災害対応などに活用し始めた。

技術の蓄積と進歩に伴い、人の体温検知、災害状況の査定、捜索救難などにおけるドローンの優位性から、救助活動においてドローンが活用される場面がますます広がっている。現在では森林地域での防火および消火、製造現場での事故、自然災害対策、捜索救助など多くの分野をカバーしている。

地震や洪水などの突発的な自然災害の際に、ドローンは地理的条件に制限されず、高所から都市を俯瞰し、3Dモデリング技術によってデジタル・サンドテーブルを構築し、救助要員に専門的情報を提供する。荒野で行方不明者を捜索したり、高層建築での火災に対応したりする際、DJIの専用ドローンは赤外線イメージング技術によって人の体温や火災の出火元を検出することができる。

DJIレスキュー連盟の運営総監督を務める張学良氏によると、現在主力となっている緊急救援用設備は産業用ドローン「Matrice 300 RTK」とマルチセンサーカメラ「ZENMUSE H20T」の組み合わせだ。

Matrice 300 RTKは警察の職務執行、消防による救援、エネルギー設備の巡回、高精度の測量などの分野に向けて設計されたドローンプラットフォームで、その総合性能は民間用無人機の分野をリードしている。最大連続飛行時間55分、 風圧抵抗15m/秒、最大飛行高度7000m、最大伝送範囲15kmで、強風、大雨、寒冷などさまざまな厳しい気候条件下でも使用可能だ。

ZENMUSE H20Tはズームレンズ、サーマルカメラ、広角カメラ、3m~1200mの距離をカバーするレーザー距離計のクアッドセンサーを搭載している。照度条件が最適でなくても撮影可能な夜景モードも搭載し、零下20°Cから55°Cまでの気温に対応可能だ。

また、Matrice 300 RTKは上下左右前後の6面に画像認識カメラを搭載し、障害物を自動的に回避し、GPSなしでも精度の高いホバリングが可能だ。機体の底部に2つのインターフェイス、上部に1つのインターフェイスを備えている。H20Tカメラ以外に夜間の捜索に役立つ照明装置や拡声スピーカーなどを同時に搭載でき、音声や照明を利用した捜索が可能だ。

注目すべきはMatrice 300 RTKには2つの取り外し可能なバッテリーが搭載されており、ホットスワップに対応しているため、電源を落とさずにバッテリー交換ができることだ。そのため、バッテリー交換後に機体を再調整することなく再度飛行が可能だ。

DJIレスキュー連盟の第一陣メンバーは32社で、中国全土の26省をカバーしている。これまでにDJIとレスキュー連盟のメンバー企業は、中国国内で200回近い緊急レスキュー活動に参加している。メンバー企業の「常州市賽思網絡科技」、「湖南省自由飛行電子科技」、「南京大翼航空科技(Air Dwing)」などは、2019年3月12日に江蘇省で発生した化学工場の爆発事故や、中国南部や四川省楽山で発生した洪水の災害救援活動に参加している。
(翻訳・普洱)


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