マルチモーダル認証を使用し顔認証機能を向上、AIセキュリティ会社「考拉悠然」が1000万元クラスの資金調達
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AIセキュリティ会社「考拉悠然」は1000万元クラスのPre-Aラウンド資金調達を行なった。資金は研究開発や市場拡大、組織の拡張に使用される。
2017年中国のセキュリティ業界の総生産高は6200億元に上り、業界の成長率は14.8%、2022年に至るまでにセキュリティ市場の規模は1兆に達する見込みだ。AIとセキュリティとの融合による、巨大な市場における顔認証機能などのAI技術の急速な発展と定着を目指す。
複雑化した人工知能を使用したセキュリティ競争において、考拉悠然は別のパターンを考慮する必要がある
マルチモーダル認証を使用し顔認証機能を向上
考拉悠然は現在、大多数のAIセキュリティ会社は顔認証において熾烈な競争を繰り広げており、より大きな価値を実現するためには、将来的にマルチモーダル認証技術の応用が必要となる。また、行動認証、顔認証、声紋認証、画像認証、動画認証などのさまざまな認証方式の融合が総合的な分析処理の応用を推し進めている。
ここでは考拉悠然の組織背景を紹介する必要があるだろう。発展国の学士院会員が3人、国家1000人計画のプロフェッショナルが6人、四川省1000人計画のプロフェッショナルが7人。機械学習、コンピュータービジョンの研究、特にマルチモーダルの分野において多くの開発研究を行っている。具体的には、深層学習をするフレームワーク、顔認証システムといった機能を独自に研究している。
考拉悠然はマルチモーダル認証とデータ分析技術の結合といった科学研究の蓄積により、考拉大脳AIプラットフォームを独自に開発させた。リアルタイムで人間や車の軌跡を追跡、クロスモーダルによる認証と分析、動画コンテンツの精密な検索、動作の異常性や事件性の識別とそれに対する警告を発することが出来、また、これらは低消費電力で動作が可能となっている。
商業化の定着:公安、学校、居住区
商業化の定着を図るために、考拉悠然は、考拉大脑AIがセキュリティ分野において活用できる様々なパターンを捻出した。その結果、公安、学校、居住区の3つのパターンをターゲットすることが決まり、それぞれに特化した商品の開発を始めた。
§ 考拉警察用模擬訓練プラットフォーム:顔認証、行動規律分析、VRやARのトレーニング機能を備える。例えば、仮想空間に強盗や暴力事件などといったシーンを設計構築し、構築された仮想空間の中でVRやAR機器を着用した研修生が模擬訓練に取り組むことで実践能力や自己防衛能力の向上を図る。
§ 考拉キャンパスセキュリティ:顔認証による入場制御、インテリジェントモニタリング、顔登録、顔認証による図書館や実験室の入退出などの機能を備える。学生のデータベースに基づき、宿舎への入退出時間や頻度、学区内のイベントなどの情報や学生の異常行為の分析や心理カウンセリングを行い、学校の安全を保障する。
§ 考拉入居者入場制御セキュリティプラットフォーム:顔認証による入場制御、異常行為の分析などの機能を備える。不審者による子供の誘拐、壁を上っての侵入、窓を壊しての侵入、広告の貼付などの行為をリアルタイムで監視。不審者を発見した場合には、警告を発し、違法行為の制止を行う。居住区の安全を守るだけでなく、警備員の雇用コストを抑えることも可能である。

考拉悠然は今年から商業化の定着のために、すでに3つのプロジェクトにおいてサンプルを設けている。公安の場合、成都市成華区公安局との研究開発とプロジェクト協力を推進するための共同研究所を設立した。学校向けの製品はすでに電子科学大学で採用されており、居住区向けの製品は北京の泛海、首開、鑫苑などの居住区に採用されている。
考拉のプロモーション戦略としては、まずサンプルを用意し、販売ルートの確保、ソリューションを用意したあと、迅速な規模の拡張を図る。この事業がターニングポイントを迎えたことで、今年の営業利益は3000万元に達すると予測される。
業界競争:マルチモーダル認証とデータの融合が競争のカギ
AIセキュリティ分野において海康(ハイクビジョン)、大華(ダーファ)、東方網力などの伝統的なセキュリティ会社は、既存の地位を占有しながらAIへの転換を要していた。それに反し商湯(センスタイム)、曠視、依图、云从(Cloudwalk)などの新鋭のAI会社は急速な成長を遂げ、顧客を続々と捕まえている。
考拉はどのようにしてこれら2つの強力な勢力と競争を繰り広げるのか。考拉の優位性はマルチモーダル認証とデータの融合による完璧なソリューションをお客様に提供できることである。さらに、AIセキュリティの競争は顔認証の分野に集中しており、ある意味では考拉は彼らと同じ次元で競争していない、と考拉悠然の創業者兼CEO申恒涛は言った。
他に、考拉は長年の技術の蓄積とハイレベルな組織により作られる商品は、非常に強い競争力を持つ。また、考拉はAIセキュリティ分野だけにのみ重点を置いている。
考拉悠然はおよそ80人規模の組織を持ち、その内の技術研究員は6割を占めている。
創業者兼CEOの申恒涛は国家1000人計画のプロフェッショナルであり、シンガポール大学の主席学士、博士、オーストラリアクイーンズランド大学教授、電子科学大学コンピュータ技術と工業学の学院長、教授、博士教師、未来メディア研究センターの主任を務めている。
AI Labの責任者である杨阳は人工知能の専門家であり、北京大学大学院、オーストラリアクイーンズランド大学コンピュータ科学博士、国家1000人計画青年プロジェクトの選出者、四川省1000人計画のプロフェッショナル、電子科学大学トップ100の教授を務めている。
AI事業部CTOの沈复民は四川省1000人計画のプロフェッショナルであり、オーストラリアアデレード大学博士、電子科学大学トップ100の教授を務めている。視覚、マルチメディア分野における学術会議やジャーナルに100以上の論文が掲載された。