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ゲーム実況動画配信サービス「闘魚(DOUYU.COM)」を運営する「闘魚網絡科技(Douyu Network Technology)」が現地時間の17日、米ナスダックに上場した。上場初日の取引終了後、同社の時価総額は37億3000万ドル(約4000億円)に達した。同じくゲーム実況を手がけ、前年5月に米上場を果たしている中国企業「虎牙信息科技(HUYA Information Technology)」の時価総額は49億9000万ドル(約5400億円)。
「中国概念株(収益源は中国国内にあり、上場は海外で行っている中国企業の株)」としては、今年最大規模のIPO案件となった。
ゲーム実況分野で中国最大手と評価される闘魚は、昨年1月より上場を計画していたものの、上場までの道のりは順調ではなかった。競合の虎牙が昨年5月、同分野を手がける中国企業として初の米上場を果たすと、同社も上場先を香港から米国に切り替えたものの、資本市場の不振や虎牙との間に生じた中傷スキャンダルなどの影響を受け、今年4月になってようやく上場申請に至った。その後も上場時期や上場先、公募価格などで何度も変更を重ねている。
とはいえ、闘魚はユーザー数、財務、リソースで好材料が揃った企業だ。
財務面では、過去3年にわたって累計22億7200万元(約360億円)の赤字を計上していたが、前四半期に一挙に黒字に転じている。同社のIPO目論見書によると、今年第1四半期の純売上高は前年同期比123%増の14億8910万元(約230億円)だった。ライブ配信事業の売上高は同149.2%増の13億5410万元(約210億円)。純利益は1820万元(約2億8400万円)で、潜在株式調整後は3530万元(約5億5000万円)となり、前年同期から1億8520万元(約29億円)もの伸びとなっている。
ユーザー数でも依然として強みを維持している。今年第1四半期、闘魚の登録ユーザーは2億8090万人で、月間アクティブユーザー(MAU)は前年同期比25.7%増の1億5920万人だった。有料会員は同66.7%増の600万人で、ARPPU(有料会員1人当たりの平均収益)は同51.7%増の226元(約3500円)だった。
契約するライバー(ライブ配信者)数も多い。IPO目論見書によると、今年3月時点で闘魚の登録ライバーは650万人。中国国内のゲーム系ライバーで上位100人にランクインする51人と専属契約を交わしている。さらに、上位10人のうち8人が闘魚の専属ライバーだ。
ユーザー数と有料会員数の双方で「勝ち組」の闘魚だが、売上高やARPU(ユーザー1人当たりの平均収益)では競合の虎牙に及ばない。ライブ配信業界でマタイ効果が加速する中、収益力では虎牙が勝っているといえるだろう。
天井知らずで競争がエスカレートするライブ配信業界には、新たにショート動画アプリも攻勢をかけてきている。そのうちの一つ「快手(Kwai)」は先日、アプリ内ゲームの実況中継を視聴するデイリーアクティブユーザー(DAU)が3500万人を突破したと発表した。ゲーム関連動画のDAUは5600万人で、闘魚と虎牙の合計DAUをすでに超えている。このほか、「TikTok(抖音)」もゲーム分野にさらに注力してきているという。こうしたショート動画アプリは、ライブ配信プラットフォームにとっては脅威だ。
真の収益力や将来性について大きな疑問符がつく中、上場を果たした闘魚。今後も多くの難関が待ち受けている。
(翻訳・愛玉)
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