話題のAIアバター生成サービス「HeyGen」、評価額が4.4億ドルに急上昇 中国法人を抹消し海外軸へ

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AIアバターと音声を活用した動画生成プラットフォーム「HeyGen」が、新たに6000万ドル(約90億円)規模の資金調達を進めていることが分かった。過去にUberなどへの投資実績があるベンチャーキャピタル「Benchmark Capital」が出資を主導する。米メディア「The information」が報じた。

資金調達前の評価額は4億4000万ドル(約670億円)と4カ月前の6倍に上昇した。2023年11月に実施した前回の資金調達では560万ドル(約8億5000万円)を調達し、資金調達後の評価額を7500万ドル(約110億円)としていた。

HeyGenのサービスは現在、大きな注目を集めている。同社が制作したアバター(デジタルヒューマン)を選択して場面を選び、セリフ(テキスト)を入力すれば、アバターがさまざまな言語で話す動画が出来上がる。また、実在の人物が話す短い動画をアップロードすると、その人物をモデルとしたアバターを生成し、動画を作成することもできる。

このサービスは、提供開始から7カ月で黒字化を達成したという。HeyGenの徐卓(Joshua Xu)創業者兼最高経営責任者(CEO)は23年11月、メディアの取材に応じた際、22年9月からの売上高が1800万ドル(約27億円)に達したと明らかにした。

HeyGenは20年11月に設立。米ロサンゼルスに本社を置き、中国広東省深圳市に中国法人「詩雲科技」を設立した。詩雲科技は設立から1年足らずで2回の資金調達を完了。出資者には、真格基金(Zhen Fund)や紅杉中国(HongShan、旧セコイア・チャイナ)傘下のベンチャーキャピタル、IDGキャピタルなどが名を連ねた。しかし、企業情報検索サイト・天眼査(Tianyancha)によると、詩雲科技の登記は23年12月にすでに抹消されている。

企業情報検索サイト・天眼査によると、詩雲科技の登記は23年12月にすでに抹消されている

米誌フォーブスによると、HeyGenの徐CEOと梁望(Wayne Liang)最高製品責任者(CPO)は、いずれも上海の名門・同済大学を卒業し、米カーネギー・メロン大学で修士号を取得した。その後、徐氏はSNSアプリ「Snapchat」を開発する米Snapに入職。梁氏は音楽SNS「スミュールSing!」などを提供する米Smuleや、TikTokを運営するバイトダンスのプロダクトデザイナーとして勤めた。徐氏は2020年に中国に一時帰国した際にHeyGenを設立した。

HeyGenが中国国内の枠組みを解体し、完全に海外に軸足を移した理由について、市場ではさまざまな説が流れている。デジタルヒューマン分野は技術的なハードルが低いため、中国国内での競争が激化したからだとの見方がある。一方で、中国の経営母体に対し、米国が国家安全保障上の懸念を示す可能性を指摘する向きもある。

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*2024年4月3日のレート(1ドル=約152円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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