vivoがMWCに初出展、謎の「X300 Ultra」をチラ見せ 日本未進出も既に「60カ国超」のグローバル戦略明らかに

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スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC)2026」に、中国スマートフォン大手のvivoが初めて出展した。単なる製品展示に留まらず、欧州の主要通信キャリアや各地域のパートナーとの商談を主眼に置いた本格的なブースを構え、その勢いを見せつけた。

会場では3月下旬に発表予定のフラッグシップ「X300 Ultra」を先行公開。そして、広報担当者が日本進出せずに、インドや欧州、東南アジアなどで強力に展開している背景についても説明した。

X300 Ultra、初のグローバル展開へ

スマートフォン業界の展示で、今回のMWCで最も注目を集めたトピックの一つが、次期フラッグシップ「X300 Ultra」の存在だ。前モデルのX200 Ultraは、カメラ性能で高い評価を受けたものの、中国国内でしか発売されなかった。海外の熱烈なファンにとっては惜しまれる展開だった。

今回、vivoの関係者はその方針を一転させると明言した。「今回のモデルはグローバルで展開する。発売イベントは引き続き中国で行うが、より多くの海外市場へ届けることが決まった」

具体的なスケジュールとしては、3月末の中国発売を皮切りに、欧州市場は4~6月期の投入が見込まれている。インドなどの重要市場での展開も想定されるが、具体的な国名は明らかにしなかった。

X300 Proは搭載チップセットがMediaTekのDimensity 9400だったが、X300 Ultraは「現時点で、明らかにできない」と説明した。カメラセンサーについては中国国内でもさまざまなうわさが飛び交っている。サプライヤーについても担当者は「言えない」と繰り返した。スペックの詳細は「1カ月以内に分かる」と説明し、400mm相当のレンズが付属することだけは認め、動画機能も「シネマティックビデオ」として大幅に強化される見通しだ。

「映像制作ツール」としてのスマホ

周辺アクセサリーの充実ぶりも、vivoブースの見どころだった。vivoはX300シリーズ向けに、カメラグリップ(ハンドルモジュール)をはじめとする複数の製品をデモ展示。単独使用も他製品との組み合わせも可能な、モジュラー設計が特徴だという。

デモでは実際にグリップを装着した状態でのハンズオンが行われた。限定公開の参加者からは「まるでカメラだ」という反応が相次いだ。動画モードでは4K・24fps(映画的なフレームレート)と高フレームレートモードを切り替え可能。「フィルムのような色調と質感」を標榜しており、LUT(ルックアップテーブル)を用いた色調変換や、異なるカラープロファイルへのリアルタイム変換もデモされた。

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光量調整については、追加照明を使った場合でも「80%の効果が維持される」と説明があった。フィルター類もすべて動作確認済みとのことで、アクセサリーエコシステムの充実度が一定レベルに達していることが示された。

こうした周辺機器の充実は、スマホを「一眼カメラの代替ツール」として位置付ける同社の一貫した戦略の延長線上にある。X200 Ultraで確立した「超望遠カメラスマホ」というブランドイメージを、映像制作ユーザーにまで広げようとする意図が見える。

60カ国以上で展開、日本は「まだ時期でない」

MWC出展の最大の目的は何か。vivo担当者はこう語った。

「欧州の大手顧客や各地域の通信キャリアと顔を合わせ、グローバルでvivoをより大きくしていくこと。世界全体でスマートフォン市場は伸びており、私たちはより多くの市場を開拓していく必要がある」

現在vivoは60カ国・地域以上でビジネスを展開している。東南アジアではトップ3に入るほどの存在感を持ち、インドやパキスタンでもトップシェアクラス。インドでは現地生産も行っており、ブラジルにも工場を持つ。

一方で、北米・日本・韓国への進出は「現時点では行っていない」。

その理由は明快だ。日本と韓国はキャリア経由の販売比率が極めて高く、特に日本では約90%以上がキャリア販売とも言われ、iPhoneやGoogle Pixelといったブランドが圧倒的な地位を占めている。これに対しvivoは「オープンマーケット(量販店・直販など)」での展開を得意とする企業だ。

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欧州は「通信キャリア50%・オープンマーケット50%」というバランスのとれた市場であるのに対し、中国国内はオープンマーケットが約90%を占める。vivoが欧州で力を発揮できるのも、こうした構造的な親和性があるからだ。「日本・韓国が難しいのは市場環境が違う。今は能力が十分でないところには慎重に対応する。準備が整えば、さらに多くの市場へ拡大していく」

MWC初出展が示す、vivoの「存在感」

これまでオンライン中心で存在感を示してきたvivoが、MWCという世界最大のモバイル見本市にリアルブースを構えたこと自体、同社の姿勢の変化を象徴する出来事だ。X300 Ultraの国際展開宣言、そしてプロユースのアクセサリー群の提示。海外進出がいよいよ「本気」のフェーズに入った何よりの証といえるだろう。

世界スマートフォン市場での存在感は増すばかりで、日本市場への参入が「そう遠くない未来」に訪れるかもしれない。

(36Kr Japan編集部)

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