世界モデルで中国初のユニコーン GigaAIが約580億円を調達、評価額2300億円突破
世界モデルを開発する中国スタートアップ「極佳視界(GigaAI)」はこのほど、シリーズB1で約15億元(約350億円)を調達したと発表した。本ラウンドは複数の政府系ファンド、産業資本、および人民元・外貨建ての金融機関が共同で出資した。前回のラウンドと合わせると、1カ月の間に累計調達額25億元(約580億円)に達し、最新の企業価値は100億元(約2300億円)を突破。中国国内で初めて世界モデル分野でのユニコーン企業となる。
世界モデルは、フィジカルAI(現実世界の動きを認識して最適な行動を起こす人工知能)の中核エンジンと位置づけられる技術だ。AIを「生成できる」段階から「理解し、推論し、行動できる」段階へと飛躍させ、現実世界との相互作用を可能にする。ロボットや自動運転など、エンボディドAI(身体性を持つAI)の基盤技術として急速に注目を集めている。
2023年6月に設立されたGigaAIは、世界モデルを軸に3つの中核プロダクトを相次いで発表した。
このうち「GigaWorld-0」は、世界モデルが生成したデータが実機ロボットの性能向上に直結することを実証した世界初とされる成果だ。GitHub(ギットハブ)で公開されたオープンソースコードは1500以上のスターを獲得している。「GigaWorld-Policy」は「動作中心」の革新的なアーキテクチャを採用し、推論速度とトレーニング効率を高めながら、タスクの成功率も大幅に向上させた。「GigaWorld-1」は、世界モデルの権威あるベンチマークテスト「WorldArena」で世界1位を獲得し、グーグル、エヌビディア、アリババなどのテクノロジー大手企業を上回った。これらに加え、VLA(視覚・言語・動作)モデルを中心とする「GigaBrain」シリーズも展開している。

GigaAIは自社でフルスタック開発した汎用人型ロボット(ヒューマノイド)「Maker H01」も発表した。全身に20以上の自由度を備え、マルチモーダル高精度なセンシングシステムを搭載している。開放環境での精緻な操作と移動に特化して設計されており、すでに自動車、3C製品(コンピュータ・通信機器・家電)、倉庫、家庭サービスなど複数のシーンで商用化を実現しており、年間納入目標は1000台だ
データ基盤の整備も並行して進める。年内には「視覚-動作」の高品質データが100万時間超、世界モデル向け事前学習データは1000万時間超に達する見込みだ。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)