中国・重慶が「ショートドラマの巨大工場」に――国内1.4兆円市場から日本など海外への供給拠点へ
中国重慶市両江新区の産業パーク、水土新城に、使われていなかった商業施設を改造して作られたショートドラマ撮影拠点「重慶両江映画・テレビ・アニメ・マンガ文化クリエーティブパーク」がある。
縦型ショートドラマ専用のスーパーファクトリーで、パーク内には300近いロケ施設があり、毎年約千組の制作チームを受け入れ、年間700本以上のショートドラマが作られている。重慶市はこうした産業規模の生産能力により、ショートドラマ制作で全国トップ3に数えられるまでになった。
施設の担当者、曽理さんは「制作チームは台本を持ってくるだけでいい。こちらで照明や機材、衣装・メイク道具、エキストラ、さらにはスタッフ用の宿泊や飲食までワンストップサービスを提供し、まさに『かばん一つの引っ越し』を実現する」と胸を張った。
ショートドラマの監督、包寅飛さんは、この取り組みに触発され、従来の映画・テレビ産業から縦型ショートドラマ産業へ転身、既に業界のリズムに馴染んでいる。ショートドラマが人気を博している理由を「伏線が少なく、どんでん返しが多く、見どころが詰まっており、視聴者を十分に満足させられる」と語った。
昨年6月に発表された「マイクロドラマ段階的発展報告」によると、昨年の国内のマイクロドラマ市場規模は634億元(約1兆4600億円)を超え、ユーザー数は6億9600万人に上り、ネットユーザー全体の68.4%を占めた。この動きは海外へ広がっており、既に中国企業傘下のプラットフォーム30以上が日本のショートドラマ市場に参入している。業界関係者の分析では、日本は規模の大きな「ブルーオーシャン」であるだけでなく、ユーザーの課金意欲が極めて高い良質な市場であるという。
曽さんは、日本の視聴者は女性の逆転劇やお仕事ドラマなどを好むと紹介した。中日両国のチームが協力し、国内で既に実績のあるドラマを現地向けにリメイクし、多くのヒット作が生まれているという。現在は中日共同制作がますます増加し、単なる「吹き替え版の海外展開」から両国チームが脚本、撮影、ポストプロダクションなどの工程を深く融合させた「コンテンツ共同制作」が主流になりつつある。
未開拓市場を前に、重慶市は国内のショートドラマ制作工場から海外向けのコンテンツ供給拠点へと静かに転換を始めている。市内のショートドラマ制作大手、重慶麦芽伝媒は海外プラットフォーム「NetShort」を立ち上げ、40以上の国と地域をカバーするほか、四川外国語大学と共同でマイクロドラマの海外展開を照準とする多言語翻訳・吹き替え拠点を設立、国際的なコンテンツ配信に向けた翻訳・運営人材の確保も進めている。【新華社重慶】