アップルのAIグラス、2027年投入かーーVision Pro後継機中止、メタ・中国勢との正面対決へ

アップル製品の動向分析で知られる著名アナリストの郭明錤(ミンチー・クオ)氏はこのほど、サプライチェーン調査に基づく最新リポートを公表し、アップルのウェアラブルデバイス戦略に関する見通しを大幅に修正した。同氏によると、2026年9月1日にアップルのCEOに就任予定のJohn Ternus(ジョン・ターナス)氏は、アップルの空間コンピュータ「Vision Pro」シリーズの後継機開発を全面的に中止し、より大衆市場向けのスマートグラス事業にリソースを集中させる方針へと舵を切ったという。

郭氏はこの決定を「賢明な判断」と評価している。

最新のロードマップによれば、アップルのウェアラブルデバイスはスマートグラス2製品に集約される見通しだ。1つ目は、光学ウェーブガイドディスプレイを搭載したAR/XRグラスで、発売時期は従来予想より後ろ倒しの2029年以降になるとみられる。もう1つは、ディスプレイを搭載しないAIグラスで、米メタ「Ray-Ban Meta」に近い製品コンセプトを採用する。こちらは従来の計画通り、2027年の発売を目指す。

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これに先立ち、米ブルムバーグのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏も、アップル初の一般消費者向けAIグラスが開発上の課題により、当初予定していた2026年末から27年末へと発売時期が延期されたと報じていた。同製品は日常生活での利用を前提としており、外観は一般的なメガネに近い。フレームにはカメラ、スピーカー、マイクを内蔵し、ハンズフリーでのSiri利用、通話、音楽再生、写真・動画撮影、ナビゲーション、リアルタイム翻訳などの機能を盛り込む予定だ。価格は200〜500ドル(約3万〜約8万円)程度になると予想されている。

アップルがスマートグラスに軸足を移す背景には、市場の急成長がある。調査会社Omdia によると、2025年に世界のAIグラス出荷台数は前年比322%増の870万台に達した。市場では85.2%のシェアを握るメタ製品が、圧倒的な存在感を保っている。

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一方、中国市場も急速に拡大している。Ray-Ban Metaが中国に進出していない状況で、中国のAIグラス出荷台数は年間約100万台に達し、世界シェアは10.9%と米国に次ぐ第2位となった。特に中国メーカーの台頭が目立つ。AIグラスのユニコーン企業「Rokid(霊伴科技)」と中国スマートフォン大手のシャオミ(小米集団)がそれぞれ市場シェア3.9%で世界2位、3.5%で3位にランクインした。中国本土市場ではシャオミがシェア31.9%で首位、Rokidが28.5%で2位となっている。

Omdiaは、世界のAIグラス出荷台数が2026年に1500万台を超えると予測している。こうした状況を踏まえると、スマートグラス市場への本格参入が比較的遅れたアップルは、メタに加え、急成長する中国メーカーとの正面対決を迎えることになりそうだ。

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*1ドル=約160円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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